Stereolab / Cobra And Phases Group Play Voltage In The Milky Night (1999)

今月のStereolabはアルバム、『Cobra And Phases Group Play Voltage In The Milky Night』(1999)。
先行シングルの『The Free Design』(1999)も持っているはずだと思い込んでいる割には一向に見つからないのでした。
各国盤で追加収録曲が微妙に異なるようですが、この時期になりますとStereolab自体に対して興味が薄れつつあったので掬い上げる暇もなかったですね。
本作も惰性で購入したことを白状しましょう。
M1「Fuses」から複雑なリズムと重層的で混沌とした音像が跳ね回り、ヴォーカルも控えめでといきなり驚かされますね。
ラウンジ色こそ強いもののM2「People Do It All The Time」とM3「The Free Design」、M4「Blips Drips And Strips」で前作からのStereolabらしさが顔を出すといった具合です。
華やかなバック・コーラスに浮遊感たっぷりの音使い、柔らかなホーンも含めて肌触りの良い音の質感ですね。
ポップで優雅な流れのM6「Infinity Girl」、M7「The Spiracles」にM8「Op Hop Detonation」といったこの辺りは思いのほかに絶好調ですね。
John McEntireとJim O'Rourkeの双頭体制が奏功している証でしょう、きっと。音数は多く、随分と派手な印象が残ります。
M9「Puncture In The Radax Permutation」でのリード・ヴォーカルはMary Hansenでしょうか。
M11「Blue Milk」では8分以上も単調なままで引っ張っておきながらその後の3分間でどう展開させるかと思えば、取り立てて何もなかったり。中盤にかけてはだいぶ雲行きが怪しい印象です、
またもやリズム面での工夫が目立ちますし、多少なりとも実験的な試みに意欲的なこと理解可能ですけれども。ある意味、まだまだ演り尽くしていないというか野心的なところを見て取ることが出来るんですが、空回りに見受けられるのも事実なんですね。
終盤にかけても5分前後の楽曲が並んでいますので間延びした印象を拭えませんがM13「Strobo Acceleration」などは往時のStereolab節が全開で懐かしさすら溢れて来るんです。
かと言って幕引き間際のM13「The Emergency Kisses」も最後のM14「Come And Play In The Milky Night」もとても良く練られていまして魅力的に思えて来ますよ。ちょっと新しい風景が見えるんじゃないかと思わせてくれます。