Heavenly / Operation Heavenly (1996)

みんな大好きHeavenly!
とうとう最後となってしまいました。計らずもHeavenlyにとって最後のアルバムとなってしまった『Operation Heavenly』(1996)です。
というのも本作完成直後に弟ドラマーのMattew Fretcherが自ら命を絶ってしまったからなのです。訳が判りません。Vinyl Japanからソロ・アルバムも発売したくらいなので、もう成すべきことがなくなったとでも?Heavenlyのドラマーには彼しかいないのに。
“ポップ・ソングはラヴ・ソングでなければならない”と言ったのは君だったはずだ。
これでHeavenlyは解散を余儀なくされたということです。残念ですね。凄く残念なことでした。
国内盤CDの帯にある“決行、ヘヴンリー大作戦!世界を夢で包んじゃおう”という甚句も涙で霞みますね。
その最後のアルバムはスプリット・シングルのM1「Trophy Girlfriend」から始まりまして、お次は何かに取り憑かれたような弾けっぷりのM2「K-Klass Kisschase」に面食らいつつ。
前作、『The Decline And Fall Of Heavenly』(1994)と同じような音の傾向ですね、輪郭のエッジは立っていますし歌声も力強いと。より骨太なバンド・サウンドです。『Heavenly VS. Satan』(1991)の頃とは見違えますね。
もうひとつのシングル曲、M3『Space Manatee』(1996)も勿論、本作にも収録されています。
ここでは少し浮いているかも知れませんね。ほかの収録曲もかつてないくらいに元気いっぱいに弾け飛んでいますので。そんなところからもこれで最後とは想像もつかなかった訳ですけれども。
この『Space Manatee』収録のカヴァー曲にも驚かされましたけども、今回もお楽しみが待ち構えていますよ。France Gallの「Nous Ne Sommes Pas Des Anges」というカヴァー曲。それも珍しくというか初めてというかエレクトロ・ポップ風ではありませんか。
来日公演の際、タワーレコードで見かけたPeter MomtchiloffがFrance GallのCDを手に取っていたこと憶えていますよ。Amelia Fletcher姫にサインをいただいた時ですね。
お楽しみと言えば、まだまだあるんです。『Le Jardin De Heavenly』(1992)で共演を果たしたK RecordsのCalvin Johnsonがまたしても海の向こうからの参加です。
歌い出しはリード・ヴォーカルも取るようになって来たCathy Rogers、次いでCalvin Johnsonの脱力低温低音歌唱が響き渡ったところで我らがAmelia Fletcher姫の登場ですよ。
ちょっぴりと物悲しいところがある曲調にちょっぴり感動なんです。
繊細で軟弱な印象が強いですが決してそれだけではなかったSarah Recordsの閉鎖によってWiiija Recordsから発売された本作も、そして、Heavenly自身もブリットポップの潮流と無関係のところで自由にやりたいことをやって楽しんでいましたし、多くのファンを喜ばせてくれました。
たったのそれだけで本当にそれだけのことなんですけれど。
もう充分でしょうか。Heavenlyとしてそのままずっとレコードを出してくれるのは嬉しいですけれど、あり得ないことですしね。五目飯のようにいろいろと楽しませてくれる本作、『Operation Heavenly』が最後で良かったと言い聞かせるしかないところもありますし。
実際には納得し難いのではあるのですけれど。けれども・・・。
そこでとりあえず、
みんな大好きHeavenly!!
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