Eric Justin Kaz / If You're Lonely (1972)

今夜はEric Justin Kazを聴いてみましょう。
ここでは珍しいシンガー・ソングライターものです。
“名盤探検隊”シリーズの1枚として世界初CD化もされたデビュー・アルバム、『If You're Lonely』(1972)ですね。
所謂、地味で質素なシンガー・ソングライター作品かと思いきや。想像以上に予算がかけられているなというのが第一印象なんです、下世話な話ですけれど。しっかりとしたバンド・サウンドですし、結構、大胆にストリングスが入っているんですよ。
とんだ先入観でした、というのは初めて聴いた時から少々残る違和感なんです。
ところどころでゴスペル風味のコーラスが絡むのは効果的だと思いますし、これはどこまで行っても好みの問題ですけれど何回聴いても装飾過剰なんじゃないかという場面が多い気がします。
逆に例えばピアノを背に歌われるM4「Time Has Come」は凄く良い雰囲気が出ていまして、愚直な歌い口が一層、際立つんです。
M5「Tonight, The Sky's About To Cry」の場合にはピアノにストリングスの調べが加わるのですけれど、これはこれでしっとりと聴かせてくれますね。
この辺りの流れには思わずジーンと来ちゃいますよ。
もともと在籍していたというBlues Magoosを聴いたことがあるようなないようなくらいで(実際にはしっかり『Nuggets』(1972)に収録されているグループですね)、相変わらず耳は節穴ですし本盤に対してもこんな体たらくではありますが、“幻の名盤”扱いされていたというのにも納得ではあります。
ふと、安らぎさえ得られるEric Justin Kazの歌の素晴らしさは比類なきものだと、そのくらいは肌で感じるものがある訳ですよ。
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