Silver Apples / The Garden (2006)

さて、気を取り直しまして。
今晩はSilver Applesの『The Garden』(2006)をご紹介しましょう。
Silver Applesは“The Simeon”という自作のアナログ・シンセサイザーを操るSimeonとドラマーのDanny Taylorという2人組のアメリカのグループですね。
1960年代末に2枚のアルバムを残した切りだったのですけれども、突如として同時期に録ったという未発表スタジオ・ライヴ音源集である本盤が発売されたのがついこの間のような気がしていました。
ジャケット・デザインからしてずっと無視することが出来ずにいたつもりが、とっくに入手困難という状況で。これは慌てましたね。
ほかに誰が買うんだというくらいのジャケット・デザインじゃないですか、これって。
どうしてそんなにぼんやりしていたかと言いますと、1作目の『Silver Apples』(1968)を10年以上も前に購入して聴いてみたところ、どうにも性に合わなくて早々に売り飛ばしていたからでした。
そんなこんなで後回しにしていたと。
今さら海外通販サイトまで当たってみてもほとんど手遅れだったのですけれど、西新宿にまだ新品CDの在庫があることを突き止めました。
先週、無事に確保。いやはや冷や汗ものでしたよ。
そんな訳で不安混じりに聴いてみましたら、これは面白いです。
良いだとか名曲だとかではなくて、面白いです、これ。
M10「Anasazi Noodle」のように妙な電波を発するなど電子楽器を駆使して実験精神も旺盛の割には歌いたがりなところあるようで。
何しろWilson Pickettのヒット曲としてもお馴染みのM9「Mustang Sally」を熱く直球でカヴァーしたり。
M5「John Hardy」ではバンジョーを弾き倒していますし、M7「The Owl」なんかは遊園地でたまたま聴いたらもっとウキウキしそうになる可愛らしい1曲ですよ。
こんな面白いものが30年以上もお蔵入りだったなんて、それこそ勿体ないことです。
この先50年でも100年でも楽しめるミニマルでエレクトロニックでサイケデリックな何か、ですよ。
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