Teenage Fanclub / Bandwagonesque (1991)

今月のTeenage Fanclubです。
DGCからも発売されたアルバム、『Bandwagonesque』(1991)。つまりメジャー・デビュー盤ですね。
このアルバムも世間が驚き、またCreation Recordsとしてもそれと知らずに大波に乗っていたあの1991年に発売された1枚です。
ほかに『Screamadelica』Primal Scream、『Loveless』My Bloody Valentine、『Nowhere』Ride、『In The Presence Of Greatness』Velvet Crushなどの傑作が挙げられる訳ですけれど、やはりどうかしていますよ、これは。
冒頭から意外な選曲に思えるM1「The Concept」、そしてジャンクなM2「Satan」への流れがこれまた意表を突いて来る訳ですよ。最高の出だしですね。
次いで極上にして甘さたっぷりのM2「December」、ポップな反復横飛びのM4「What You Do To Me」へと連なるこの流れ。完璧です。
後半戦もシングル曲、M6「Star Sign」に始まり懲りずに再びポップな反復横飛びのM7「Metal Baby」を浴びせ倒す。
BMX BanditsのDouglas T. Stewartも大好きだというM10「Alcoholiday」にThe PastelsもカヴァーしたM11「Guiding Star」。もうお腹いっぱいです。
デビュー作との最大の違いは、何と言ってもGerald Loveの存在です。
その『A Catholic Education』(1990)では加入したてだったためか、ほとんど貢献していなかった作曲面で今回は大車輪の活躍を披露しておりますよ。
彼の功績なくして、その後のTeenage Fanclubはあり得ませんね。
このように普通に名曲がごろごろと転がっている中、いちばん好きなのがM9「Sidewinder」だったりします。
これは当時のドラマー、Brendan O 'HareとGerald Loveとの共作ですけれどもこの地味に滋味溢れる名曲中の名曲もほとんどGerald Loveのお陰なのかもしれませんね。
これだけとびきりのメロディーに占められているにもかかわらず、最後はM12「Is This Music?」という少し無機質なインストゥルメンタルで締めくくられているのが何とも示唆的というか何かの皮肉のようなことになっている気がします。
音的には同じDon Flaming制作の『God Knows It's True』(1990)の延長線上にある歪み加減がほど良い感触ですよ。
あと、このジャケット・デザインが悲しいくらいに安っぽいのが堪りません。正直、もっとましなものがあるだろうと。
ブームの尻馬に乗って行けという表題とは意外と符号するにしても内容とはとても釣り合わないものだろうと、そんなところです。
少し哀しくなります。
♪「Alcoholiday」Teenage Fanclub
♪「Alcoholiday」Teenage Fanclub
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