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Harpers Bizarre / Feelin' Groovy (1967)

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先日のサンフランシスコのAutumn Records音源がまとめられた『Dance With Me』(1994)にて軽く触れましたHarpers Bizarreについて、デビュー・アルバムの『Feelin' Groovy』(1967)を取り上げてみます。


何と言ってもPaul Simon作のデビュー曲、M5「The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)」で有名な1枚ですよね。
これは木管楽器の生温い感触が特徴的でして、大量の綿菓子を口いっぱいに頬張らされているような心境にまで陥ってしまいそうなのです。


冒頭のM1「Come To The Sunshine」にしましても、いきなり夢心地を味わうことの出来る緩やかな空気感が全身を包み込んでくれます。


Randy Newman作の心躍らされる素敵なM10「Simon Smith And The Amazing Dancing Bear」までアルバム全編がそんな甘ったるさ全開といった具合ですので、聴く人によってはとことん嵌ってしまうか毛嫌いされるかのどちらかにはっきりと別れることでしょう、きっと


こういった彼ら独特の音作りが実際にはM1「Come To The Sunshine」の作者でもあるVan Dyke Parksを始め、Randy NewmanLeon Russellやら元締めのLenny Waronkerらの制作陣によるものだというのは常識ですよね。


それでも充分に評価が低いのですけれど、ともすれば砂上の楼閣と捉えられない“バーバンク・サウンド”はやはり極上の郷愁感を運び込んでくれますよ。
細切れに次々と思い切り時空を捩じ曲げられては、無理矢理に夢から夢へと意識を飛ばされるのも気持ちの良いものなのです。


と、ここで終わらせてくれないのが手持ちの紙ジャケットCDの素晴らしいところです。
件の『Dance With Me』に収録されてはいませんけれど(同じ“Nuggets From The Golden State”シリーズの『Someone To Love The Birth Of The San Francisco Sound』(1996)にて既出です)、M11「Bye, Bye, Bye」とM12「Lost My Love Today」という追加収録曲が。


どちらもAutumn Records時代の前身グループ、The Tikisとしてのシングル盤曲(1966年)でして、21世紀の今でも充分に通用する初々しい自作のフォーク・ロックを振りまいていますよ。


身も蓋もないのかも知れないのですけれど、正直に申し上げて好みからすれば断然、The Tikisを選んでしまいます。


毎度お馴染み、Paul Simon作のデビュー曲です。
♪「The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)」Harpers Bizarre



Randy Newman作の佳曲です。
♪「The Debutante's Ball」Harpers Bizarre



これぞバーバンク・サウンド!
♪「Simon Smith And The Amazing Dancing Bear」Harpers Bizarre



噂のお宝音源です。
♪「Bye, Bye, Bye」The Tikis



珍しくもHarpers Bizarre名義なのですね。
♪「Lost My Love Today」The Tikis




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Harpers Bizarre 「Feelin' Groovy」(1967)

所謂バーバンク・サウンドの源流、ハーパーズ・ビザールのデビューアルバムです。バーバンク・サウンドの要となったのがレニー・ワロンカー(ちなみにレニーとラス・タイトルマン、リッキー・リー・ジョーンズの3人は幼馴染です)。このレニーがハーパーズやモジョ・メン

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ワタクシは初回の日本盤を所有しているので、このボートラの存在は知りませんでした!ボートラといえどあなどれませんね。
初めて聴きましたけど、ハーパースとはやっぱ別ものですね。興味深いです。まあ、これじゃ売れなかっただろうけど。。(笑)



Kura_moさんへ

Kura_moさん、どうも!
コメントをありがとうございました。

不幸中の幸いなのか何がなんだか判らないのですけれど、貴重な音源に違いないですよね。
大元のSundazedのお手柄ですね、これは。


やわなフォーク・ロック風情ですけれど、そこが堪りません。これは好みのど真ん中ですよ、ずばり!

Harpers Bizarreはちゃんとアルバム単位で聴いてみたいと思いながら、バーバンク系やソフトロック系の熱が少し冷めてしまい、それっきりになっていました。
でもYouTubeで試聴してみたら、またその熱が復活してきました♪よ~し、是非今度は買うぞぉ~!!
Harpers Bizarreだったらまず何がオススメですかね?

おいどんさんへ

おいどんさん、こんばんは~。
コメントをありがとうございますね!

嬉しいことをおっしゃってくれますね~!
おいどんさんも行動力に溢れるお方だと勝手に思っておりますので、熱が冷めないうちに是非ともモノにしていただきたいですよ!

そこで、本作からではなく敢えて『The Secret Life Of Harpers Bizarre』を挙げさせていただきますね。
所謂、バーバンク・サウンドの最高峰です、間違いなく。
もっと言ってしまえば、ポップ・ミュージックのひとつの極北でしょうか。
某●MVの当該ページの引用だらけのレビューでその秘密がお判りになるかも知れませんです。

ものは試しと言いますし、是非ともどうぞ!

素晴らしいバンドですね

おはようございます。
過去記事にTBさせて頂きました。
バンドというかPJというか。バーバンク・プロジェクトといった感じかもしれません。
このドリーミーな音楽はご指摘のように、意見は真っ二つに分かれるかもしれませんね。
もちろん私は大ファン。心の糧となってます。

240_8さんへ

240_8さん、お久しぶりです。chitlin改め北沢オーストラリアでございます。今後もよろしくお願いいたしますね!

次作のエントリをするはずがすっかり忘れておりますが、コメントとトラックバックのお陰で良いきっかけをいただきました。ありがとうございます!

スタジオ仕事のプロジェクト色が強いのかも知れませんが、それが奏功して良い意味での砂上の楼閣が出来上がったとも言えるかと思います。で、やはり、我々としてはそういう音楽が堪らなく好きな訳ですよね~。
プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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