The Mojo Men /Sit Down... It's The Mojo Men (1995)

1967年の全米36位のヒット曲、「Sit Down, I Think I Love You」で知られるThe Mojo Menの音源集、『Sit Down... It's The Mojo Men』(1995)の登場です。
当時、Reprise Recordsでアルバム制作に取り掛かっていたにもかかわらずお蔵入りとなった音源をこれでもかと詰め込んだ1枚であります。
勿論、5枚分のシングル曲も収録されていますよ。
最近、同じBig Beat Recordsから未発表音源集が発売されたこのThe Mojo Menというのは、Lenny WaronkerとVan Dyke Parksのお陰で冒頭の通りに「Sit Down, I Think I Love You」のヒットをものにしたグループなのです。
それはBuffalo Springfieldによるアルバム録音に先駆ける形でした。
所謂、元祖“バーバンク・サウンド”と呼ばれる音の作りでして、モノラル・ミックスにもかかわらず万華鏡のような圧倒的な煌やかさを放つその音像は筆舌に尽くし難いことこのうえないのです。
“バーバンク・サウンド”がどのような音を指し示すかについては、なかなか難しいですよね。
アメリカの古のポピュラー・ミュージックの奥深さや歴史をまざまざと思い起こさせてくれますし。
身に覚えのない幻想的な郷愁感とでも言えましょうか。
The VejtablesのドラマーだったJan Erricoを迎え、なおかつ優秀な制作陣と充分な環境にあるReprise Recordsへの移籍が奏功したという訳ですね。
贅沢の限りを尽くしためくるめく斬新な編曲と麗しいコーラス・ワークがThe Mojo Menの最大の特長です。
古巣のAutumn Recordsでの同胞、The TikisがLenny WaronkerやVan Dyke ParksにRandy Newmanたちから寄ってたかって、あのHarpers Bizarreへと仕立て上げられたことの方が遥かに有名になってしまいましたけれども、The Mojo Menも負けておりませんよ。
夢物語のような“バーバンク・サウンド”が炸裂する中で意外にも硬派でサイケデリックな感触も強烈なM10「What Kind of Man」が異彩を放ったり。
M14「Do The Hanky Panky」では、ガレージ・バンドの面影を残すなど彼らの持つ多面性を味わうことも出来ますよ。
バーバンク・サウンドの先駆け、です。
♪「Sit Down, I Think I Love You」
♪「Sit Down, I Think I Love You」
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