Premiata Forneria Marconi / Storia Di Un Minuto (1971)

邦題として『幻想物語』と名付けられたPremiata Forneria Marconiのデビュー・アルバム、『Storia Di Un Minuto』(1971)を初めて聴いてみました。
紙ジャケットCDでもなければ、この辺りのプログレッシヴ・ロックにまで手を出すこともなかったでしょうに、これだから人生何が起こるか判ったものではありませんね。
1分余りと短い序奏ながらも、M1「Introduzione」の壮大な調べから思わず期待が高まり、間髪入れずに時空を捩じ曲げるかのように大きなうねりを持つM2「Impresioni Di Settembre」の何とも幻想的で美しさに驚くほかありません。
打って変わって賑やかなM3「E'Festa」について、どこかで聴いたことがあると思いましたらPeter Sinfieldが英詞を手掛けた「Photo Of Ghosts』(1973)にも収録されている1曲なのですね。
まさに他所では聴くことのない醍醐味に溢れていますね。
続くM3「Dove...Quando...(Parte 1)」とM4「Dove...Quando...(Parte 2)」は表題通りの2部構成につき、本盤の山場であることに違いありません。
その卓越した技術と演奏力に裏打ちされた目まぐるしくも複雑で大胆な構成は目眩を起こすほどの美しさです。
こういった部分がプログレッシヴ・ロックのファンの心を掴んで離さない所以、抗うことの出来ない魅力のひとつなのでしょうね。
それは終盤のM6「La Carrozza Di Hans」とM7「Grazie Davvero」でも同様でして、緩急自在にして変幻自在の音の波を固唾を飲んで見守ることくらいしか出来ませんでしたよ。
とにかく、素晴らしい出来です。ある意味、ため息ものですね。
今の今までこんなに面白い音に触れて来なかったことを少しばかり後悔しています。
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