Stereolab / Space Age Batchelor Pad Music (1992)

毎年、何かしら作品を発表するStereolab。今回は4年振りとなる『Chemical Chords』(2008) というアルバムを発売したばかりですけれど、ここでは順を追って『Space Age Batchelor Pad Music』(1992) を取り上げてみます。
そう言えば、Stereolabをいちばん最初に聴いたのがこの『Space Age Batchelor Pad Music』でした。
アルバムとしては『Peng!』に続き2枚目に当たる全8曲なのですけれども、良く言えば新機軸、平たく言うと半端な楽曲が半数を占めまして典型的なStereolab節を体現しているのは実質1曲のみであると言えるかも知れません。
その肝心のM6「We're Not Adult Oriented」のライヴ・テイクがM8「We're Not Adult Oriented (Neu Wave Live)」です。
多少の臨場感と勢いが加味される代わりに技術的なものが差っ引かれていまして、ほとんど代わり映えしないというのはともかく。
やはり、全体的に食い足りない内容であることは否めないのです。
ジャケット・デザインは抜群に格好良いのですけれどね。
後のStereolabに深く関わって行くことになるHigh LlamasのSean O'Haganがいちばん最初に参加した作品でもあるという点で重要なアルバムです。
従来通りの音の作りというか構成するひとつひとつの音の鳴りは案外と単純だったりします。
毎度お馴染みの力強いアナログ・シンセサイザーを軸にハンマー・ビートが土台を固め、冷たいフレンチ・ヴォーカルと薄いコーラスが被さるといった具合です。
なおかつ洗練された香りを漂わせている辺りがSean O'Haganの貢献するところなのではというのは想像に難くないのです。
それまでのリズム隊が入れ替わり猪突猛進な突破力に加えて、流線型の体を手に入れたかのような滑らかさが身上とでも言えそうなのですよ。
ひょっとしたら、Tim GaneがSean O'Haganと出会ってスタジオで手合わせしていた延長ででっち上げたのではないかという妄想まで頭をもたげて来ます。
もしもそうだとしても、それはそれで貴重な記録であるということにもなりますね。
突っ走ります。
♪「We're Not Adult Oriented」Stereolab
♪「We're Not Adult Oriented」Stereolab
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