Extradition / Hush (1971)

本日はExtraditionの『Hush』(1971)を取り上げます。
凛とした佇まいの女性ヴォーカルが特徴のアシッド・フォーク作品です。
evergreenさんのところでエントリされてからおよそ1年、ようやく重い腰を上げてみました。(←う~ん、自堕落)
それというのも日本が世界に誇るP-Vine Recordsが本盤を紙ジャケットCD化するという情報を聞きつけまして思わず色めき立ってしまったからなのです。
これはやはりThe New Tweedy BrothersやThe Freak Sceneなどの紙ジャケットCD化に続く“Psychedelic Journey”の1枚なのでしょうか。
厳選されたタイトルの嬉しい国内盤CD化ですけれども、いろいろと節制中の身には結構堪える再発です。
今後も期待していますので細く長く続けてください、P-Vine Recordsさん。
肝心の内容につきましては、それはもういろいろな楽器を器用に使い倒しているだけありまして、何とも色彩豊か。
その鮮やかさには感心することしきりなのですよ。
まずは水の流れを背景に淡々と紡がれて行くM1「A Water Song」に目を剥いてしまいますね。
ささくれ立った気持ちを静かに落ち着かせてくれます。安らぎますね。
そのほかの収録曲の曲調も実に多彩で静謐なフォークを中心に石を叩いてみたり中近東辺りの風合いまでと振り幅が大きいですし、展開によってはプログレッシヴ・ロックな様相さえ醸し出すという器の大きさまで持ち合わせていますね。
多少なりとも実験的な音作りから判る通り、相当に練られている訳ですよ。
ただ、それが決して頭でっかちになることなく、天然ものに聞こえて来るという絶妙さ。
物凄く面白いですよ、これは。
朴訥な男性ヴォーカル曲もあるにはあるのですけれど、出しゃばらない程度に留まっていますので、丁度良い加減ですしね。
極上のアシッド・フォークと呼ばれLinda Perhacsなどが引き合いに出されることが多いようですけれど、アシッド臭というよりはずっと伸び伸びとした天然丸出しなので敢えて夢幻フォークという称号を進呈して差し上げたいところだったりします。
オーストラリアのフォーク・グループであること。
男女ヴォーカルを擁すること(絡みはほとんどない)。
果敢な実験精神に溢れていること。
プログレッシヴ・ロック並の変幻自在な展開すら魅せること。
にもかかわらず半端なく天然であること。
そんな一筋縄ではいかない非常に個性的なグループ、Extraditionに対して少しでも興味を持たれたらばそれは正解ですよ。
手持ちのVicious Sloth Collectables盤CDには1970年3月のライヴ音源が追加収録されています。いやはや何とも贅沢なものですね。
アルバム発売以前ということもあるのでしょうか、その『Hush』収録曲と被るのはステージ上でも荘厳ですらあるM16「Ice」のみです。
これら6曲分はたいした仕掛けもない真っ直ぐな演奏でして、これはこれで好感を持てます。
M12「In The Evening」はシティー・ブルースの巨人、Leroy Carrのカヴァーですし、M14「Hold On To Me, Babe」の場合はプロテスト・フォークの旗手、Tom Paxtonをカヴァーしたものです。
Extraditionによるごつごつとした手触りの生演奏が胸に直接、響いて来ること請け合いですよ。
現時点では紙ジャケットCDにこのライヴ音源が追加されるのか不明なのが残念なのですけれど。
アルバム発売以前ということもあるのでしょうか、その『Hush』収録曲と被るのはステージ上でも荘厳ですらあるM16「Ice」のみです。
これら6曲分はたいした仕掛けもない真っ直ぐな演奏でして、これはこれで好感を持てます。
M12「In The Evening」はシティー・ブルースの巨人、Leroy Carrのカヴァーですし、M14「Hold On To Me, Babe」の場合はプロテスト・フォークの旗手、Tom Paxtonをカヴァーしたものです。
Extraditionによるごつごつとした手触りの生演奏が胸に直接、響いて来ること請け合いですよ。
現時点では紙ジャケットCDにこのライヴ音源が追加されるのか不明なのが残念なのですけれど。
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