Rosinha De Valença / Um Violão Em Primeiro Plano (1971)

梅雨空をぶっとばすために、久し振りにRosinha De Valença を聴いています。
国内盤として発売されるのはこの『Um Violão Em Primeiro Plano』(1971)のCD化が初めてだったそうです。ということはアナログ盤の時代から冷遇されて来ていたのですね、勿体ないことに。
そのCD化のきっかけも“午後のカフェ”をテーマにした編集盤シリーズの1枚、『Café Après-midi Marine』(2000)に選曲したためだというのですから、侮れないものですね。
以前に取り上げましたSom Livre Masters”盤が実に硬派で男前でしたので随分と印象が異なります。
ただでさえ血湧き肉踊るブラジル音楽だというのに、編曲については相対的に華やかさが目立つものに仕上げられていますよ。
男女混声コーラスを忍ばせたり、ちょっとしたオーケストレイションが寄り添うなど意外と手の込んだ音作りなのです。
そんな甘口な印象を抱かせる一方でRosinha De Valençaが掻き鳴らすギターの音色は鋭く、緊張感すら漂わせているくらいですよ。
M12「Tema Espanhol」なんてのはカスタネット抜きのフラメンコといった塩梅なのですから。
そして、何と言いましてもこの彼女自身が数曲でヴォーカルを取っていることに驚いてしまいました。
それもとても女性らしい可愛さ溢れる歌のなのですから尚更です。
ギターの腕前はそのままに、はにかむような歌声が対照的でして何とも慕わしいですね。
ところで、本盤を含む“ブラジル名盤コレクション”が紙ジャケットCD化されるというのですから困ってしまいます。
知らない振りをするのが良いのか買い替えるべきなのか。寝付きが悪くなりそうな話です。
スポンサーサイト