Led Zeppelin / Physical Graffiti (1975)

乗りかかった“船”という訳で今回もLed Zeppelinを取り上げてみましょう。
圧倒的な質量を誇る2枚組のアルバム、『Physical Graffiti』(1975)についてです。
M1「Custard Pie」とM3「In My Time Of Dying」はそれぞれブルースとゴスペルを下敷きにしているそうですけれど、異様なまでに重たいです。
この重心の低さは蛭子能収の腰の低さに比肩し得る、否、段違いの重量感を見せつけてくれます。
John BohnamとJohn Paul Jonesの連係もある種の高みに到達しているのではないかと感じる次第です。
今度はM2「The Rover」とM4「Houses Of The Holy」が共に『Houses Of The Holy』(1973)の際のアウト・テイクだそうで、火花の散るようなギター・リフの応酬が特長でしょうか。
これはもう理屈抜きで格好良いですね、蔵出し如何に関わらずに。
1枚目の最後に当たるM6「Kashmir」には戦慄すら覚えます。
閃光のようなスネア・ドラムの1発から不穏なリフが刻まれ進行して行きますと突如として大きく旋回してはせり上がるように上昇するファンファーレのようなブラスとストリングスのユニゾン。
その後の展開を逐一追うのも野暮なほどにとんでもない広がりを持つ大作です。
中近東の趣きすら抜群の冴えを魅せるLed Zeppelinの演奏をこれでもかと堪能することが出来きますね。
この「Kashmir」を初めて聴いたのは1988年のAtlantic Records創立40周年を記念した再結成ライヴの際のテレビ放映でした。
ちなみにそのステージでのJimmy Pageのもたり具合が自分の中で彼のギタリスト象としての基準になってしまっていることを否めません。
2枚目の冒頭を飾るM1「In The Light」では、出だしと中間部で中近東趣味を全開させながらも重厚なギター・リフで押しまくるという華々しい幕開けそのものですね。
M2「Bron-Yr-Aur」は清らかなアルペジオが際立つギター・インストゥルメンタル曲です。
箸休めにも聞こえるようですけれどもすこぶる相性が良いものだと思っていましたら、道理で『Led Zeppelin ?』(1970)の際のアウト・テイクだそうで。
続く3「Down By The Seaside」の場合、いくらか穏やかな趣きのために気持ちが安らぎますね。
硬派な印象を抱いてしまう『Physical Graffiti』にありまして、意外といちばんのお気に入りと言っても良いかも知れません。
中盤においてもなかなか聴かせる4「Ten Years Gone」と来まして、この2枚目もだれることなく緊張感すら漂っています。
またまたギターのリフでぐいぐい引っ張って行くM6「The Wanton Song」。
ドラムスの切れも素晴らしいM9「Sick Again」も同様ですね。
ギターのリフを主体に組み立てられた大方の楽曲が本盤のために作られたと想像がつくのですけれども、それをも上回るグループとしての一体感、自信、力強さなどをひしひしと感じることが容易でもあります。
そうは言いましても、これまた『Houses Of The Holy』(1973)の際のアウト・テイクであるというM8「Black Country Woman」でさえ『Physical Graffiti』にこそ相応しい1曲に思えて来るのですから不思議なものです。
何度も聴き通してみて気付くのは冒頭に書いた圧倒的な質量の正体とは単に収録曲の尺が長いだとか重厚なギターのリフレインが強烈極まりないということだけでなく。
種々の要素をたぐり寄せ、強引なまでにまとめ上げてしまう力量と勢いが依然としてLed Zeppelinの手中にあったのでしょうね、きっと。
M2「Bron-Yr-Aur」は清らかなアルペジオが際立つギター・インストゥルメンタル曲です。
箸休めにも聞こえるようですけれどもすこぶる相性が良いものだと思っていましたら、道理で『Led Zeppelin ?』(1970)の際のアウト・テイクだそうで。
続く3「Down By The Seaside」の場合、いくらか穏やかな趣きのために気持ちが安らぎますね。
硬派な印象を抱いてしまう『Physical Graffiti』にありまして、意外といちばんのお気に入りと言っても良いかも知れません。
中盤においてもなかなか聴かせる4「Ten Years Gone」と来まして、この2枚目もだれることなく緊張感すら漂っています。
またまたギターのリフでぐいぐい引っ張って行くM6「The Wanton Song」。
ドラムスの切れも素晴らしいM9「Sick Again」も同様ですね。
ギターのリフを主体に組み立てられた大方の楽曲が本盤のために作られたと想像がつくのですけれども、それをも上回るグループとしての一体感、自信、力強さなどをひしひしと感じることが容易でもあります。
そうは言いましても、これまた『Houses Of The Holy』(1973)の際のアウト・テイクであるというM8「Black Country Woman」でさえ『Physical Graffiti』にこそ相応しい1曲に思えて来るのですから不思議なものです。
何度も聴き通してみて気付くのは冒頭に書いた圧倒的な質量の正体とは単に収録曲の尺が長いだとか重厚なギターのリフレインが強烈極まりないということだけでなく。
種々の要素をたぐり寄せ、強引なまでにまとめ上げてしまう力量と勢いが依然としてLed Zeppelinの手中にあったのでしょうね、きっと。
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