The Pastels / Songs For Children (1991)

100年経っても何も変わることのないであろうThe Pastels。
こちらの手持ちの7インチ盤はOverground Recordsから発売された4曲入りです。
もともとはWhaam! Recordsから1982年に発売された栄えあるデビュー・シングルからの音源が主でして、ジャケット・デザインがまったく異なります。
以前にココで採り上げましたTelevision Personalitiesの「I Know Where Syd Barrett Lives」(1981)の再発盤と一緒に開店間もないRough Trade Shop新宿店で初めて購入した盤です。
ちなみにWhaam! Recordsを立ち上げたのはTelevision PersonalitiesのDan Treacyなのですね。
M1「Heavens Above!」はパッパラ・コーラスが響き渡るギターポップ屈指の傑作です。
これこそ聴かずに死ねるかという暴言に近い迷言に相応しい珠玉の1曲に違いありません。
百発百中の名曲ですよ。断言します。
何とも言えない気怠さがとてつもなく板についているのがM2「Tea-Time Song」なのですけれど、ここでもやはりThe Velvet Undergroundからの影響が色濃く顕われていますね。
いかに彼らによる影響力が大きなものかが伝わって来るのです。
B面へとひっくり返しまして。
後にCreation Recordsからシングル曲として発売もされたM3「Something Going On」にしても自ずと輝きを放つ力はこの当時から不動のものですよ。まさに必殺の名曲です。
何と申しましょうか、これから起こることに胸を弾ませながら小径を闇雲にぶっとばす感覚がある訳です。
M4「Till Morning Comes」はそのB面曲なのです。こちらも時間という風雪をものともしない力強さを備えています。
勿論、Creation Records版は両者ともに改めて録り直されていますよ。特に後者は「Stay With Me Till Morning」と改題されていますし、Creation Records時代の音源をまとめた『Suck On The Pastels 』(1988)の国内盤には追加収録されている逸品です。
収録曲のどれもこれもが脱線気味の演奏、そして間延びした歌声が飄々と乗り上げて上滑りして行くかのようです。
見事なまでにヘロヘロなんです。ヘタウマですらありません。
それにもかかわらず傑作揃いにほかならないのです。
なぜなら、そこには歌心があるんです。
ただそれだけのことなんですけれどもねっ。
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