Stereolab / Switched On (1992)

今回は予定を変更してお送りいたします。
Stereolabの初期音源集の『Switched On』(1992)を取り上げてみます。
Neu!やLa Düsseldorfを率いていましたKlaus Dingerが亡くなったという訃報をCottonwoodhillさんとハリーさんから伺いまして。
自分なりに書くとしたらどうだろうということで。
少ないコードと強靭なハンマー・ビートが突っ走ることから、その嫡子と呼べなくもないStereolabを選んでみました。
折に触れアルバム未収録曲集を発売してくれる彼らの様々な趣向の楽曲が収録されているが故、そんなどっちらけな内容の本盤ならばいっそ割り切って堪能することが出来ようというものなのです。
今日日、7インチ・シングルなぞの発売をそれだけあちらこちらで単発で重ねているという訳でして、それが愛好家を喜ばせているようでいて、実は彼ら自身がいちばん楽しんでいるのではないかと勘ぐってみたくもなります。
この『Switched On』の場合、『Super-Electric』(1991)を含む初期のシングルとEP3枚分が丸々収められていまして、一聴して初アルバムの『Peng!』(1992)よりも親しみ易さが感じられます。
ただし、録音自体がしょぼいので派手に思えるシングル曲でもじわじわと後から効いて来る地味な『Peng!』とどっこいどっこいなのが結論でしょうか。
判るのは最初から彼らが演っていること、演ろうとしていることに変わりはないという、その一点でしょうか。
正確無比なハンマー・ビートにアナログ・シンセサイザーの鈍い音色を絡ませ、淡白なフレンチ・ヴォーカルが舞い降りるという。
実に簡潔な組み合わせです。
そして、これが実に絶妙なのです。
Stereolabが打ち鳴らす執拗な反復ビートにはNeu!の爪痕がくっきりと刻まれています。
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