Kenny Dorham / Una Mas (1963)

先日、桜の開花宣言がなされたそうでいよいよ春の訪れも間近な訳ですけれど、相変わらず軽めの花粉症のため気分転換がてらKenny Dorham(tp)の『Una Mas』(1963)を聴いてみたというのも唐突でしょうか。
真っ昼間から聴くような代物ではないような気がするのですけれど、単純に手元にあったというだけのことなのです。
のっけから15分を超えるラテン風味の表題曲、M1「Una Mas (One More Time)」の場合ですと是非ともその生演奏を聴いてみたいと思わせるような、そんな熱いものを感じてしまいます。
その終盤、Kenny Dorham(ですよね)による鶴のひと声で以てテーマ部分の演奏が再開される場面などがありまして熱いとは言いましても、そこは空間を切り裂くようなトランペットの音色とは真逆のどこか覚めた感覚が宿っているのです。
続くM2「Straight Ahead」などは実にけれん味のない、竹を割ったような小気味よさがとても印象的です。
例えば新進気鋭のJoe Henderson(ts)やHerbie Hancock(p)、Tony Williams(d)といった面々が尻上がりに調子を上げて行くのを目の当たりにすることが出来る辺りは痛快です。
たまに聴くハードバップも格別ですね。
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