Mario Castro-Neves / Stop, Look & Listen (1977)

関東地方も梅雨入りいたしまして。そんな時にはラテン音楽を。Mario Castro-Nevesの『Stop, Look & Listen』(1977)です。
勿論、旧ブログからの転載です。
カナダのライブラリー・ミュージック専門のレーベルに埋もれていたという余りにも不遇な運命を辿ったのがこの『Stop, Look & Listen』です。
ホーン隊を従えたバックトラックもきちんと作り込まれ、様々なパーカッションが踊り、優雅な女性ヴォーカリストが彩りを添えます。
賑やかでいて極めて洗練されたMBPの数々を含みつつ、その魅力さえ超えて普遍的な輝きをも放っている訳です。
それもこれもMario Castro-Neves自身が手掛けた作曲、編曲そして咲き乱れるエレクトリック・ピアノの音色があってこそでしょう。
Sergio Mendes & Brazil '66に比肩しうる仕上がりと言えるのではないでしょうか。
Mario Castro-Nevesの自作曲の出来も勿論、秀逸なのですが全10曲中、4曲のカヴァーにおける解釈も際立ったものがあります。
Carpentersのヒット曲として有名な、胸躍るM4「All You Get From Love Is A Lovesong」や蕩けてしまいそうなM7「Summersoft」Stevie Wonderなどは白眉です。
解説によるとカナダに渡ったMario Castro-Nevesが1975年に録音を済ませ、CTI Recordsからの発売を控えていたところその話が流れてしまったそうです。
そのままお蔵入りとなるも、1977年に僅かに作られた見本盤を元にCelesteがCD化を果たしたという代物です。
この手の音源の発掘には目を見張るものがあるCelesteには頭が上がらないほど素晴らしい内容の1枚です。
今回のエントリで何を言いたいかと申しますと。梅雨明けが待ち遠しいな、ということです。