The Impressions / Keep On Pushing (1964)

The Impressionsのアルバム、『Keep On Pushing』を聴いてみました。
全12曲がCurtis Mayfield作なんですね。恐ろしいほどの才能の開花ではないでしょうか。
路線としては前作の『The Impressions』(1963)を継承していまして、ゴスペル色を湛えた品の良いシカゴ・ソウルであります。しかしながら、その奥ゆかしさの裏には高い志を窺うことが出来るというものです。
折からの公民権運動に連なることになる表題曲、M1「Keep On Pushing」をはじめとし決して声高に主張することなく裏声を使ってあくまでも心優しく語りかけて来る訳です。Curtis Mayfieldにしても早くも歌い手として頂点へ登り詰めている感が強いと。
M2「I've Been Trying」などにおいても顕著ですけれども、聴き手を包み込むようなその懐の深さ、器の大きさは貴重ですね。
特に前半はゆったりとした曲調で統一されているので結果的に心地良い流れなのが印象的です。
後半ではマーチのM7「Amen」に甘口のM9「I Thank Heaven」、軽快なノーザン・ソウルのヒット曲の「Talking About My Baby」などが入り乱れていますので雑多な感触がなきにしもあらずとは言えThe Impressionsというグループとしてのまとまりの良さやその力量が発揮されていることを感じることが出来ます。
♪「Keep On Pushing」The Impressions
スポンサーサイト