Jerry Berkers / Unterwegs (1972)

Jerry Berkersのアルバム、『Unterwegs』(1972)です。
花畑に浮かぶ男性の顔面というジャケット写真が不気味ですね。
オランダ出身のこのJerry Berkers自身が鍵盤以外の楽器をひと通りこなすうえでのソロ・アルバムということで。
もともとはドイツのWallensteinというグループの一員だったとか。プログレッシヴ・ロックなんでしたっけ。最近、紙ジャケットCDとして再発売されていたと記憶している程度です。
そんな古巣の面々をも巻き込んだ『Unterwegs』を興味本位で聴いてみたところ。奈落の底に突き落とされるようなサイケデリック・ロックを期待してだけに肩透かしを食らったという印象です。どこかでSyd Barrettのような音を勝手に想像していたんですよ。
少しばかり甲高い歌声も好みの範疇ではありますし渦巻くオルガンの音色にも惹き付けられるものがあるんです。
冒頭のM1「Jeder Tag Sieht Ganz Anders Aus」での混沌した雰囲気から一転、いきなりM2「Glaub Mir, Susanne」が朗らかであったりM5「Grauer Bettler」やM7「Gelobtes Land」でギターの音色が鋭く吠えたりと多少なりとも起伏に富んだ内容ではあります。
最後に置かれたM8「Seltsam」にしても5分弱をかけてじっくりと聴かせる情緒的なところがみそのはずが盛り上がらないうちに終わってしまうんです。趣向を凝らしてはいるものの、その割りにはこれだという決め手に欠ける訳なんですよね。
何ともしょっぱい1枚、でした。
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