Felicidade A Brasil / Felicidade A Brasil (1976)

Felicidade A Brasilの『Felicidade A Brasil』です。
まさに初夏のような本日にはぴったりの1枚ですね。例によって旧ブログからの転載です。
一服の清涼剤以上の効果をもたらすFelicidade A Brasilによる同名アルバムは、本日のような清々しい休日をゆったりと過ごすには打ってつけの作品です。発売元のDare-Dareというレーベル名とともにこの復刻CDが何年も前から話題になっていることを知ってはいました。現在のようにブラジルものに入れ込んでいませんでしたので例の如く後回しにしていましたら、件のレーベルが潰れたとかいう話がちらほらと。
ところが、最近になって再々発売されたということで注文してみましたら時すでに遅し、と。こうなって来ますと意地でも手に入れたくなるのが人情というものです。終いには海外通販を利用してしまいました。
もうね、あれですよ。いちばん嫌いな言葉は“廃盤”です、よと。
その内容はと言えばギターと歌、作曲をも担当するFabienと女性ヴォーカルのMarta Contrerasの2人が中心となって奏でる軽やかなフレンチ・ボッサといったところです。
ふたりの歌声が交わる場面あり、アコースティック・ギターが清冽に弾ける瞬間ありのといった具合の初々しさには堪えられないものがありますよ。
人気を高めたレア・グルーヴの流れ云々についてはほとんど判っておりませんので悪しからず、ですけれども。
定番カヴァーのM4「Berimbau」を交えつつ、アルバム後半にギター・インストゥルメンタル曲が主に固められていまして、なかなか達者なギターの腕前が何気なく光っております。
そして、最終曲のM11「Voce Abeusou + Sonho Do Carnival + Batucada」を迎えますと嬉しい驚きが。
このメドレーのど真ん中に置かれた「Sonho Do Carnival」というのが、あの空耳フレーズを炸裂させる「Laia ladaia」The Carnivalの一部なのです。そうです、しっかりと“ライラ 来世 渡辺満里奈”と歌い上げられていますよ。(←いえ、相変わらず語尾は“奈”に聞こえ難いですけれども)
それにしても心が洗われるような音ですね。そして、紛れもない傑作です。いつものことながらこの手の音盤が聴かれる機会が失われ続けていることをつくづく残念に感じる訳ですよ。