James Carr / The Essential James Carr (1995)

今ではKent RecordsからGold Wax Records時代の音源のCDが何種類も発売されているので触れる機会もきっと多いに違いないJames Carrなのですけれども、10年ほど前に初めて聴いたのがこのRazor & Tie Music盤CDでした。
明確な編集方針があるのかないのか、今となっては何の変哲もない寄せ集めようにも思えます。
その深遠な歌声が逆に重く感じることもありましてなかなか馴染めない時期が長かった憶えがありますけれど、実際に彼の声の魅力には抗えませんね。
ロック畑の方々からもカヴァーされるM4「The Dark End Of The Street」が筆頭です。
この質量、この深さ。迂闊に近寄ろうものならばひとたまりもありません。胸の内に真っ直ぐと飛び込んで来ます。
だからと言って偉大なソウル・シンガー、心のベストテン第1位とまでにはならないのが本当のところだったりします。ちょいと好みから外れるのです。
一方で黙々とリズムを刻み、感情の微かな移ろいを表しているかのような演奏にも堪らないものがありますね。
最終曲だから特に印象に残っているという訳でもないでしょうけれど、M20「To Love Somebody」で繰り広げられるホーンの鳴りにはイチコロです。グッと込み上げて来るものがあります。
リーゼントも凛々しいJames Carrにもディープ・ソウルの何たるかを教わったというのは確かなことです。
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