Som Tres / Som / 3 (1966)

Som Tresの『Som / 3』(1966)です。格好良いジャケット・デザインですね、気に入っています。
これまたしつこく旧ブログからの転載です。
Som Tresの初アルバム『Som / 3』(1966)、研ぎ澄まされたピアノ以外にも聞き物が多いことに思わず感心してしまいますね。
かの“Som Livre”シリーズ からの1枚、絶妙のジャズ・サンバを聞かせてくれるピアノ・トリオ盤です。
まずは、電光石火の速弾きで怒濤の展開を魅せる冒頭のM1「Samblues」の迫力が素晴らしいです。
この1曲目があまりにも鮮烈な印象を残し、見事に聞き手を引き込む訳ですよ。
あとは適材適所のように小気味よいM5「Um Minuto」、1分に満たないM6「Cidade Vazia」やM8「Tema 3」が配置されていましてメリハリが利いているんです。
一方で落ち着いた雰囲気を醸し出すM3「Na Baixa Do Sapateiro」やM4「O Bolo」、M9「Cristina」にM11「Margarida B」などを織り交ぜ、とても優美なアルバム作品として非常にバランスが保たれています。
全体的に緊迫感が満ち溢れているんですが、そうは言っても演奏者同士がぶつかり合うのではなくそれぞれの役割を果たしたうえで高みを目指すような、そんな三つ巴です。
卓越した演奏力が冴え渡っていまして、実に天晴な1枚です。
またもやSom Livreシリーズからの1枚なので廃盤エントリという訳です。
音楽のない日常なんてものは味気ないものですから、いつでも誰でも好きな時に聴くことが出来るように速やかな復刻を切に願う次第ですね。