Sambrasa Trio / Em Som Maior (1965)

Sambrasa Trioの『Em Som Maior』(1965)です。週末のたびに天候不順が目立ちますがそんな時にはラテンを。
例によって旧ブログからの転載です。
Som Livreの立ち上げから35周年を記念して大量に復刻されたという“Som Livre Masters”からの1枚、『Em Som Maior』(1965)です。
詳細などまったく知らず、Sambrasa Trioと言うくらいですのでピアノ・トリオなのだろうなといった程度でした。
怖いもの見たさで再生してみますと、大胆過ぎるタム回しから始まるM1「Sambrasa」が首根っこを掴んで離そうとしません。
ドラマーはAirto Moreira。その名前だけは知っています。そして、ピアノにはHermeto Paschoalが鎮座しつつも、M9「Joao Sem Braco」ではフルートを披露しています。
息をつく間もなく一気に土俵際まで持って行かれます。そのまま怒濤のジャズ・ボサの連続にかんぬきに極められたまま寄り切られ、あわや土俵下に転落というある意味、非常に危険なブツです。
とにもかくにも滅多矢鱈に最高の演奏が矢継ぎ早に繰り広げられている訳です。
それがジャズ・サンバかジャズ・ボサなのか、はたまたジャズそのものなのかどうかなどどうでも宜しいと、そう納得させられます。
思いがけず終始、上手を取られっ放し、圧倒されっ放しの30分余りです。
またしても興味本位で手を伸ばしてみましたら、珍しく見事に大当たりの1枚です。
せっかく復刻された本盤もいつ間にやら廃盤の模様です、寂しいもんですね。ネット配信がさらに普及するとしてもレーベル次第であることに変わりはないようですし。