U2 / The Joshua Tree (1987)

U2の『The Joshua Tree』(1987)というアルバムです。
砂漠で撮られたジャケット写真が目を惹きますね。その神妙な顔つきには慣れることがないですけれども。
今にして思えば相変わらず社会的な題材を扱いつつもアメリカからの影響を色濃く反映した音という従来とは一線を画すものなんですが、何度も聴き込んでいた当時は歌詞でさえ覚えるまでになっていました。
独りで観に行った東京ドーム公演(B.B. Kingが前座の時でした)でも一緒に歌ってしまい、隣席には煙たがられたのでした。
途中から尻すぼみ気味になって行くような気がしないでもないM1「Where The Streets Have No Name」で幕が開きますとやはり、思わず鮮烈な印象が甦りまして手に汗握るというか胸が躍るというか。無条件に抗うことの出来ない高揚感が確かにあるんです。
ただし、頭の3曲がシングルとして切られた辺りには狙い過ぎの感もありますね。これまたシングル曲のM7「In God's Country」や扇情的なM4「Bullet The Blue Sky」などにどうしても気を取られていましたし。
殺気立ったところも感じさせる「Exit」などの刺激の強いものにも惹き付けられがちですので。
随分とあとになってM6「Red Hill Mining Town」やM9「One Tree Hill」から滲み出る渋さがだんだんと判るようになった気がします。M5「Running To Stand Still」が醸し出す慈しみの深さにも感銘を受ける次第です。
初めて聴いたU2のアルバムがこの『The Joshua Tree』でした。発売されてから少し経っていたはずで、高校2年生にはなっていたと記憶しています。そんなこんなで未だにとても印象深い1枚でもある訳なんです。
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