Teenage Filmstars / Rocket Charms (1993)

前回に引き続きTeenage Filmstarsを。アルバムとしては2枚目の『Rocket Charms』(1993)です。
現在では以降のアルバムと抱き合わせで再CD化されているようですね。旧ブログからの転載です。
Teenage Filmstarsというのは元々、Edward Ballが1970年代末から活動を始めたというグループです。その頃に残したシングル曲からは、彼が掛け持ちしていたTelevision Personalitiesと同じ匂いを感じ取れます。
前作『Lift Off Mit Der Teenage Filmstars aka Star』(1992)を喩えて言うのなら眼前に渦巻く極上のサイケデリアか、はたまた自らの脳内に広がる無限の宇宙かといった壮絶なる内容でした。
後半で垂れ流しにされる月面基地の様子(←勝手な想像)も含めて強烈極まりない酩酊感に襲われてしまいます。
また、その1992年というと、My Bloody Valentineの『Loveless』が発売された年です。際限なく膨らんだその制作費ゆえにCreation Recordsを傾かせたと言われている訳です。
同じ時期に覆面ユニットよろしく、大真面目なおふざけを認める気概に溢れる点がCreation Recordsの面白いところと言えるのかも知れません。
肝心の本作『Rocket Charms』となるとこれが何とも申し上げ難い内容です。前作以上に混沌とした音像は崩壊寸前そのもの。通して聞くことが大変辛い1枚です。
では何故にCD購入後、さらにアナログ盤まで買い足してしまったのかと言えば、ひとえにこのジャケット・デザインの素晴らしさに尽きます。手持ちのレコード類の中でいちばんのお気に入りという単純な理由でしかありません。
本作をそれほど聴く気にならないのは相も変わらず。それに反比例してこのジャケット・デザインは未だにとても魅力的です。
♪「Alone」Teenage Filmstars