The Pastels / Songs For Children (1991)

映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』の中ではPrimal ScreamのBobby Gillespieによってひと言だけしか言及されなかったThe Pastels。Alan McGeeとの間に確執でもあるんでしょうか。
今回はそんな彼らの最初期の音源、『Songs For Children』(1991)です。
もともとは1982年にWhaam! Recordsから発売されたデビュー・シングルですね。M1「Heaven's Above!」とM2「Tea Time Tales」の2曲がそうです。
このOverground Records盤にはCreation Recordsでのいちばん最初のシングル曲でもあるM3「Something Going On」とM4「Till Morning Comes」がB面にまとめて追加収録されています。
20年前でもWhaam! Records盤は高額でしたので、この再発盤で充分なんです。
初めて聴いた時には驚きました。パッパラ・コーラスも楽しい名曲、M1「Heaven's Above!」。不安定な歌と演奏は相変わらずというか変わりようがないものなのはともかくといたしまして。強烈なサビがあるでもなく、雑音に近いギターによれたリズムが絡まり合いながら拙い歌が響き渡ります。珍しくピアノの音も弾むんです。大胆ですよね。ギター・ポップ番長としての面目躍如ですね。
Stephen Pastel独特の拘りなのか何なのか、30年が経とうというのにまったくCD化の兆しすら見えて来ないことが残念でなりません、
語り口調に終始するM2「Tea Time Song」、オルガンの音を背にしたその曲調が大変に渋いですね。演奏自体が話にならずとも完成度が高いと言える希有な例です。
The Velvet UndergroundやThe Modern Loversからの影響が見え隠れしていますしね。
いつ聴いても何度となく聴いても何かが始まりそうな予感をさせるM3「Something Going On」は勿論、テイク違いなんですがそのワクワク感は変わらずに胸の高まりを抑えるのに困りそうになる名曲です。
ギター・ソロなども抑え気味なので、こちらの初期テイクの方がどちらかと言えば好みです。
最後のM4「Till Morning Comes」にしてもなぜ再録音、あるいはCD化が成されずに放置され続けているのかが不思議なほどの好曲ですよね。
Aggiすら加入していない段階ではありますが、曲名に反してStephen Pastelにはすでにグループにとっての今後の展望を見据えることが出来ていたのかも知れません。勿論、音楽をこよなく愛しているからこそなんでしょう。
♪「Heaven's Above!」「Tea Time Tales」The Pastels
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