Windflower / Windflower (1974)

Windflowerの同名アルバム、『Windflower』(1974)を聴いてみました。
アラスカの男女7人組の唯一作といったことくらいしか知りません。
実直な歌声と繊細なアコースティック・ギターをはじめとしまして粛々と紡がれる端正な音の数々、ピアノやリコーダーのおかげでフォーク・ロックという枠組みを飛び越えて胸に迫るものがあります。派手さや浮いたところのないとても誠実で落ち着いた風情が好感度を持ち上げますね。
やはり自主制作らしい音質なのはさておきまして、自主制作らしからぬ緻密な音作りであることも事実なんですよね、これは。
有象無象のグループがフォーク・ロックなるものに取り組んでは敢えなく散って行ったり単純な類型に収まってしまうことが大部分のはずが、このWindflowerならではの音を確立した感ははっきりしていると思う訳です。
コーラス・ワークが眩しいM1「Headed For The Country」やM5「Marriage Of Two Minds」の晴れがましさ。女性ヴォーカルが妖しく揺れるM4「Remover Of Difficulties」。
それから、7分近いM7「Wind Dance」などはジャズ風味が満載のために特に聴き応えがありますね。
男女ヴォーカルの強みが活かされているM8「Back To The Calling Of Home」とM9「Song Celestial」の美しさには思わず打ち震えてしまいます。崇高さというか神聖視に近いものを自分でも意識する瞬間でもあります。
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