
結成20周年を迎え、新作の『さざなみCD』を発売したばかりの
スピッツのシングル曲集、「
Cycle Hit 1991-1997 Spitz Complete Single Collection」(2006)を引っ張り出してみました。
デビューからは15年ということでざっくりとその足跡の前半を辿ることが出来るだろうと、これまた安易に購入したものです。
はい、この編集盤だけしか持っておりませんです。
ありがちですけれども、スピッツのことを知ったのはM11「
ロビンソン」の大ヒットがきっかけだったはずです。
以来、テレビの歌番組などで見掛ける程度に留まりまして、
草野マサムネ以外のメンバーの姿を判別することが出来ずにいます。
所詮はその程度の聴き手にもかかわらず、M8「
空を飛べるはず」のデモに当たる「
めざめ」がたった1曲収録された初回限定盤を生意気なことに購入したのでした。
件のM11「
ロビンソン」がほとんど終盤に近い位置取りであることから判りますけれど、鳴かず飛ばずの時期を乗り越えてのようやく故郷に錦を飾りました感もそれなりにありそうですね。
それにしても未だに初々しさ、瑞々しさを保っているとは驚異的です。
スーパーカーも真っ青の筋金入りですね。
デビュー曲のM1「
ヒバリのこころ」から最終曲のM15「
スカーレット」まで一貫して“同じ音”に聞こえるのですから。
前半の青臭さをも引き継ぐ後半の王道ギターポップの数々、弾けて飛んでは消えて行きます。
シングル曲集ですし、どれも耳馴染みの良いものばかりの中でひと際心動かされる1曲がM13「
チェリー」なのです。
何なのでしょう、この満たされた気持ちというものは。独り、頬を緩ませ赤面してしまいます。
この先、万が一にも結婚式だのその披露宴だのをやろうものなら絶対にこのM13「チェリー」を流してやるぜいと鼻息荒くも妄想を逞しくせざるを得ませんっ。戯言はともかくといたしまして、ここから各オリジナル・アルバムに遡ることで必ずや
スピッツの本質に触れることが出来るであろうことは容易でしょうが、何が何でもそういう気持ちにさせてくれないのも
スピッツならではの押しの弱さと言ったら誇張が過ぎるのでしょうね。