Yo La Tengo / Today Is The Day (2003)

Yo La Tengoの『Today Is The Day』(2003)というEPです。
前回の『Summer Sun』(2003)に収録されている「Today Is The Day」のヴァージョン違いが中心の6曲入りです。
ゆったりと静かなSummer Sun』収録版とは裏腹に轟音ギターにまみれたM1「Today Is The Day」には計らずも圧倒されてしまいます。無軌道とも思えなくもないギターのひしゃげた音が逆に気持ち良いですね。それにしても振り幅が大きいです。
続くM2「Styles Of The Times」もなかなかに激しい曲調なんですが歌自体はごくごく醒めたものだったりするのが面白いところです。
次のM3「Outsmartener」はYo La Tengoにしては異質な1曲ではないでしょうか。珍しく異国情緒が溢れ返る雰囲気に貫かれていまして、色鮮やかな響きが耳をつんざくんですよ。
さらに意外なのがM4「Needle Of Death」という極めてアコースティックな1曲でしょう。これがBert JanschのカヴァーだそうなんですがまったくYo La Tengoとは結びつきませんね。その接点がどうであれ、こういう場合にはGeorgia Hubleyよる素朴な歌声には訴求力があちますよね。
それにしても守備範囲が広いです。
最後のM6「Cherry Chapstick」、こちらも『And Then Nothing Turned Itself Inside Out』(2000)収録版とは打って変わってアコースティックな手触りが素敵なんです。何とも穏やかな感情の機微が表現されているように思えます。
それにしてもその豹変ぶりには驚かされます。
本盤が実はアウト・テイク集であるのかどうかなんてことを知らない訳なんですが、こういった臨時的なEPという形であっても一定の水準以上のことをいろいろと演ってきちんと世に出してくれるのは嬉しいことですよね。
♪「Today Is The Day」Yo La Tengo
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