Stereolab / Not Music (2010)

今月のStereolabは『Not Music』(2010)です。いよいよ最後のアルバムです。
前作の『Chemical Chords』(2008)の録音の際の没曲を集めたとかいう話もありますけどもどうなんでしょうか。
まずはお洒落のひと言ですね。まばゆいくらいのラウンジ感覚が相変わらず炸裂しております。そして、非常に手堅いです。
まさにここ何年かの総決算とも言えなくもない万華鏡のように複雑な音像と夢見心地のようにポップな要素ががっちりと絡み合った音作りが奏功していますよ。無駄なくそつなく上手くまとまっています。
これがTim Ganeの演りたいことでもあり聴き手にとっても望んでいることであれば何も文句はありません。もの凄く完成度が高い訳ですよ。
その代わりに、そこにはもはや緊迫感を煽るギターも楔を打ち込むようなハンマー・ビートも存在しないということなんですけれどもね。
例外としてM6「Silver Sands」のような10分を超える実験的な意欲作も収録されてはいるんですよね。この辺は聴き応えがありますね。
M12「Pop Molecule (Molecular Pop 2)」とM13「Neon Beanbag (Atlas Sound Mix)」は『Chemical Chords』の名残ですね。これは蛇足のような気がしないでもないんですが興味深いものには違いありません。
各曲ともとても水準は高いですし色とりどりで全体的にとても明るいアルバムのはずなのに、聴き進めてみますと感慨深い気持ちになることしきり。すっかり熱心な聴き手ではなくなっていたのでたいして何も考えていなかったんですが、本作で打ち止め、Stereolab自体が最後なんだということを意識し始めてしまうと寂しさが込み上げて来てしまいます。1990年代半ばには何か発売されればCDのみならずアナログ盤も購入していたくらい大好きでした。でした、と過去形なのが辛いところですけれども。
とは言え、こちらが勝手に感傷的になるとしても数年前の素材を使ってここまで徹底的に作り込んで来るんですからさすがですね。もう、本当に天晴れです。
♪「Everybody's Weird Except Me」Stereolab
♪「Equivalences」Stereolab
♪「Supah Jaianto」Stereolab
♪「Silver Sands」Stereolab
♪「Leleklato Sugar」Stereolab
♪「Delugeoisie」Stereolab
♪「Sun Demon」Stereolab
♪「Neon Beanbag (Atlas Sound Mix)」Stereolab
♪「Equivalences」Stereolab
♪「Supah Jaianto」Stereolab
♪「Silver Sands」Stereolab
♪「Leleklato Sugar」Stereolab
♪「Delugeoisie」Stereolab
♪「Sun Demon」Stereolab
♪「Neon Beanbag (Atlas Sound Mix)」Stereolab
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