Grant Green / First Session (2001)

ユニクロがBlue Note Recordsを引っ張り込んでジャケット・デザインをあしらったTシャツを販売するそうです。記念に編集盤CDも企画されているとか。
なんてことをきっかけにここではGrant Greenの『First Session』(2001)をエントリ。Blue Note Recordsを代表するギタリストですね、と言いつつ旧ブログからの転載でございます。
文字通り、Grant GreenがBlue Note Recordsに初めて録音した楽曲を軸に据えた編集盤がこの『First Session』(2001)です。
その内の5曲が1960年11月録音でありまして、1961年10月録音のテイク違い2曲分のM6「Woody 'N' You」のみバックを入れ替え、ピアノにSonny Clarkを迎えています。
これら全7曲は2001年に本盤が発売されるまで未発表だった訳です。
彼のBlue Note Recordsからの最初のアルバム作品が『Grant's First Stand』(1961)なのですけれど、その表題曲であり本盤にも収録されているM4「Grant's First Stand」は当然、これまでお蔵入りにされていたということです。
せっかくの録音を没にしたのも、ひとえにAlfred Lionのお眼鏡に敵わなかったためでしょうけれど、つくづく厳しい判断を下す人物であると兜を脱ぐほかありません。
ブルース色が強いのはその初めから変わらないところなのですが、収録曲にはオルガンが入らないために彼に対するおおよその印象とはまた違う一面が窺い知れます。
例えば真夜中が似合い過ぎる、もしくは真夜中に聴くという行為がしっくり来る『Idle Moments』(1963)とは異にしてギターの音色が埋もれることはありませんし、1960年録音の5曲にはWynton Kelly(p)とPhilly Joe Jones(ds)が参加しているだけあって粋なジャズ・ギター作品に仕上げられているくらいです。
これと言ってギタリストのリーダー作を聴き込んで来た訳ではないのですけれど、本盤のような飾り気のない、ごくごく簡潔な作りも好ましく感じられます。
それはそうと、執拗にリフレインを奏でるGrant Greenの代名詞とも言える奏法がここでは聞こえて来ません。
そんな訳でBlue Note Records×UTの販売開始は目前です。限定とは明記されていませんが売り切れ必至の場合も当然、あると思います。果報は寝て待てとは言え焦ってみた方が精神衛生上はよろしいことを経験済みですので思い切ってみますよ。