Axe / Music (1969)

お屠蘇気分もどこへやら、幻のグループとしか言いようのないAxeのCDを聴いています。Kissing Spellから再発された『Music』(1969)です。
ジャケット写真に女性が写っている通り、最初はCryatallineという名で結成された女性ヴォーカル主体のイギリスのグループでして、FreeやThe Whoの前座を務めたこともあったと略歴が記されています。代わりに曲名が一切、掲載されていなんですよ。調べれば判るものの不備としか言いようがないですね。
アルバム録音のためだったのかアセテート盤が残されほかにはライブ音源が同じKissing SpellからCD化されている以外にはその後にどうなったかは謎、の模様です。
本盤収録の8曲分については、6枚だけ作られた件のアセテート盤のうちの唯一の12インチ盤が1994年に日本人蒐集家に買い取られた末にCD化と相成ったとも記されています。
内容は最高ですよ、典型的なサイケデリック・ロックなので。類型的とも言えますが。以前、Iron Rosaryのevergreenさんがエントリされていましたね。その時には聴き込んでいなかったのでコメントを差し控えていたんですが、後悔先に立たずです。
聴いたことのない件のライヴ盤、『Live 1969』に「Somebody To Love」のカヴァーが収録されているようにJefferson Airplaneのからの強い影響下にあるこのAxe、強烈に轟くギターが聴きものではあるんですがVivienneの歌がずっと清楚なので凄く好印象なんですよ。
8曲と言いましても冒頭のM1「Here To There」はほんのさわりに過ぎず、それはM4「The Child Dreams」のいち部分でもあるんですが、追加収録されたライヴ音源のM9「Here To There (Live)」によってその全貌を楽しむことが出来ますよ。フルートの音色からして幽玄の佇まいを醸し出していますし、音質の面で問題があるにせよ8分を超える迫力ある1曲でもありますね。
M2「Ahinam (Take 2)」はM5「A House Is Not A Motel」のギター・ソロ部分を抽出、加工したと思しき別テイクなんですね。途方もなく格好良いんですが、この辺は音盤化に際した取り計らいなのかも知れません。ちなみにこのカヴァー曲はLoveからの影響なんでしょうね。
M6「Peace Of Mind」などは健やかなフォーク・ロックと思わせておいても決してサイケデリック風味を拭い切れないですし、続くインストゥルメンタルのM7「Dark Vision」が魅せる歪み具合も気持ちの良いものです。
M8「Strange Sights And Crimson Nights」にしても6分に渡って静と動、強弱を上手く出していまして、きちんとしたアルバムを作ることが出来なかったことが本当に悔やまれるほどの仕上がりなんです。
このようにわざわざCD化までされるくらいですから、無名とは言え、やはり図抜けた存在であることは確かなんですよね。
♪「Here To There」
♪「Ahinam (Take 2)」
♪「Another Sunset, Another Dawn」
♪「The Child Dreams」
♪「A House Is Not A Motel」
♪「Peace Of Mind」
♪「Dark Vision」
♪「Strange Sights And Crimson Nights」
♪「Here To There (Live)」
♪「Ahinam (Take 2)」
♪「Another Sunset, Another Dawn」
♪「The Child Dreams」
♪「A House Is Not A Motel」
♪「Peace Of Mind」
♪「Dark Vision」
♪「Strange Sights And Crimson Nights」
♪「Here To There (Live)」
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