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Stereolab / ABC Music - The Radio 1 Sessions (2002)

stereolabbbc
今月のStereolabは『ABC Music - The Radio 1 Sessions』(2002)です。所謂、BBCセッション集ですね。
発売時点でレコード・デビューから10年になりますので2枚組というのにも納得というか嬉しいです。その活動をおおまかに俯瞰することが出来るお得な企画盤でもあります。


最初の4曲は1991年7月のJohn Peel Sessionからですなんですね。
人気曲のM1「Super Electric」をはじめ、Stereolabの最初期の姿が捉えられています。もともとスタジオ版は音質が良くはなかったんですが、それとは別にライヴ感が出ている演奏ですね。


続く4曲もJohn Peel Sessionから1992年6月の音源ですね。M5「Laissez Faire」はあの『Low-Fi』(1993)収録曲ですよ。
M6「Revox」とM8「John Cage Bubblegum」はともに『Refried Ectoplasm Switched On Volume 2』(1995)という編集盤に収録されているアルバム未収録曲ですね。
この4曲もまだまだガレージ・バンド然とした色合いが濃厚でして、改めて触れてみますと胸が詰まるほどです。凄く好きなんです。


次の8曲は1993年9月のJohn Peel Sessionと12月のMark Radcliffe Sessionからです。
M10「Anemie」というのは見慣れない楽曲なんですが、とても彩り鮮やかで聴いた途端に気に入ってしまいました。
M11「Moogie Wonderland」にM12「Heavy Denim」などと『Mars Audiac Quintet』(1994)時代のシングルB面曲をしっかりと織り交ぜているのも良い塩梅なんですよね。
M13「French Disko」とM15「Golden Ball」が1993年のシングル、『Jenny Ondioline』絡みですし後者は『Transient Random Noise Bursts With Announcements』(1993)にも収録されているんですが、初めて聴いた『Space Age Batchelor Pad Music』(1992)の時期には呼ばれていないようなので残念ですね。


ただ、Neu!から受けた影響丸出しでハンマー・ビートを打ち鳴らしツアー・シングルも連発していた頃、海のものとも山のものとも判らない意外性に満ちた部分がStereolabの大きな魅力のひとつなんですよね。


ここからは2枚目です。
1枚目から股がって収録されている1994年11月のMark Radcliffe SessionからのM1「International Colouring Contest」とM2「Anamorphose」も『Mars Audiac Quintet』(1994)収録曲、華やかですね。
メジャー・デビューした時期でもありますし、これもStereolabらしさに溢れていますよね。


10分を超えるM3「Metronomic Underground」からの8曲が1996年2月のJohn Peel SessionEvening Sessionの音源でして、ちょうど『Emperor Tomato Ketchup』(1996)が発売された年ですね。聴き応え満点ですよ、本当に。
大名曲、M9「Cybele's Reverie」には当然の如くストリングス抜きな訳ですが、まったく遜色ございません。素敵過ぎますね。


最後の4曲は5年の歳月を経た2001年9月のJohn Peel Sessionの際の音源です。『Sound-Dust』(2001)時代に当たりますね。音像が複雑になって行った『Dots And Loops』(1997)や『Cobra And Phases Group Play Voltage In The Milky Night』(2000)といったところはほとんど無視されていますけれども。
音数が増えながらきちんと整理整頓され洗練さを増したその音楽は初期の判り易い型からの脱却に成功しつつもどこから切ってもStereolab独特のものでしかなくて、誰も追いつけない領域に到達した感すらあります。


ブックレットには次々と交替して行った歴代メンバーも紹介されているんですが、肝心の準メンバー扱いのはずのSean O'Haganについては一切、載っていませんね。少し寂しいものがありますよ。厳密にBBCセッションには参加していないという意味があるのかも知れません。
内容についてはもうこれ以上、望むものはないでしょう。BBCセッション集だけに選曲が最高とは限りませんが、その内容は最高です。


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北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
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