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The Kinks / Lola Versus Powerman And The Moneygoround, Part One (1970)

lola
The Kinksの『Lola Versus Powerman And The Moneygoround, Part One』(1970)です。
このエントリのために初めて聴いています。一聴してこれはちょっと捉えどころがないと思ってしまった次第です。いえ、実際にはちょっとどころではなくて、だいぶ困惑してもいます。


まずは冒頭のM1「Introduction」がひなびたカントリー調かと思いきや、ロックン・ロールなM2「The Contenders」を矢継ぎ早に浴びせ倒して来るという景気の良さ。
Dave DaviesによるM3「Strangers」にしても緩いノリでもぐいぐいと引っ張って行くM4「Denmark Street」にしても古き良きアメリカの音楽へと一層、傾斜している様子がありありとしているんですよね。
何だか『Muswell Hillbillies』(1971)への下地が出来上がっているかのようですね。


続くM3「Denmark Street」はと言いますとミュージックホールな風情なので混乱してしまう訳です。こんなところもThe Kinksらしいかも知れませんね。


M5「Lola」の場合、『The Songs Of Ray Davies Waterloo Sunset』というレア・トラック集の追加が嬉しい『The Singles Collection』という2枚組の編集盤では“Cherry Cola”と歌われていることで馴染み深い1曲だったんですが、本CDにはちゃんと追加収録されていますね。
何かにつけてこのモノラル版シングル・ヴァージョンを繰り返し聴き続けて来たにもかかわらず、いつまでも飽きの来ない永遠の名曲です。


表題からも皮肉たっぷりなんだろうと感じさせる割と激しいM7「Top Of The Pops」と尻上がりに盛り上がって行くM9「This Time Tomorrow」から突き上げられる高揚感というのには堪らないものがありますね。


M12「Apeman」も件の編集盤に収録されているんですよね、情けないことに初めて気が付きましたよ。しかも、良い曲じゃあないですか。
これはスティール・ドラムか何かが使われているんでしょうか、凄く効果的ですよね。


ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組第一回戦』と言われても。これまた一向に訳が判りませんがなかなか粒ぞろいの佳曲が揃ったアルバムなんですね、としか言えませんです。


♪「Lola」The Kinks



♪「Apeman」The Kinks



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非公開コメント

先日はありがとうございました

そういえばキンクス話をしませんでしたね。

このアルバム大好きです。
この緩さを持ってこの名盤ぶりは他者には絶対にマネのできない芸当だと思います。
デッドの緩さとも違うんですよね。たとえば「サムシング・エルス」はまったく緩くないんですよ。
開き直ってしまった人の強みでしょうか。

スワンさんへ

スワンさん、コメントをありがとうございます!
こちらこそ、先日はありがとうございました~。濃密なお時間でしたね、次の機会も楽しみです!

これはもうお恥ずかしいエントリですので。The Kinks談義にもついて行けないかも知れませんよぅ。
『Something Else』や『Village Green』を経て辿り着いた境地が『ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組第一回戦』、というのはまだまだ私のような若輩者には理解が及びませんです。ただ、やはりThe Kinksだけが出すことの出来るノリというものが確実にある訳なんですねぇ。

No title

いや~本当にアルバムとしては捉えどころがない感じがしますね。丁度この頃からミック・エイヴォリーのドラムがバタバタ開拓し始めたのもありますが。しかし当時流行っていたであろういわゆるロック名盤的な作り方とは一線を画すところが、個人的には逆に好感を持てます。
レイの批評の対象はついに自身を取り巻くレコード業界周辺にまで及んできたようですね。top of the popsのギター部分がウォーカーブラザーズのダンス天国のメロディなのもまた辛辣な雰囲気が漂ってちょっと怖くなります。

No title

個人的にはこれ、キンクスのベストアルバムです。
(当時、UK盤を速攻買いましたねえ)
なぜか?「捨て曲」が全くと言って良いほど皆無だからです。
(捨て曲風なのは短い曲にしている、という小技が効いてる?)
ただ、なんでPart Twoはいまだに出ないのでしょうか?
これだけは一度レイに訊いてみたいですね。

いたちさんへ

いたちさん、コメントをありがとうございました!

その小難しいコンセプトからして取っつき難い訳なんですが、普通に聴くとすんなり納得の素晴らしい出来映えなんですよね。とってもThe Kinksらしいですよね。

>top of the popsのギター部分がウォーカーブラザーズのダンス天国のメロディなのもまた辛辣な雰囲気が漂ってちょっと怖くなります
そうです、そうです。すっかり書き忘れていましたがしっかりと織り込んでいますねぇ。こういう辺りも抜かりなく抜け目もなく。ブリティッシュ・ロックって感じが強くします!

MOREさんへ

MOREさん、コメントをいれていただきましてありがとうございました~。

MOREさんにとってのベスト、さらにUK(オリジナル、ですよね)盤をお持ちとはファン冥利に尽きますねぇ。私には未だにピンと来ない音・内容だったりしますし、勿論、好きな音ではありますのでこれからも長い付き合いの1枚となりそうですよ~。

>なんでPart Twoはいまだに出ないのでしょうか?
謎が残るアルバムでもあるんですよねぇ。Wikipediaでは『Muswell Hillbillies』との関連性についても触れられていますが、本当のところはどうなんでしょう?興味深いっすね~。
プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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