Roger Tillison / Roger Tillison's Album (1971)

今夜はRoger Tillisonの『Roger Tillison's Album』(1971)を聴いていました。この“名盤探検隊”からの1枚、実は今回、初めて聴いた訳です。世界初CD化だったんですね。
ソロ・アルバムの録音を持ちかけたというJesse Ed Davisによるスライド・ギターが一閃、ごつごつとした骨のある演奏が力強いM1「Down In The Flood」で幕開けです。
普段からこの手の音を聴き慣れている訳ではありませんが、素直に格好良いとしか言えませんね。渋い、いぶし銀ですね。
その後もニューオーリンズ風味だったりカントリーの要素がはみ出したりと土臭くとも芳醇なアメリカ南部の大地を連想させる懐の深いロック・ミュージックを楽しませてくれます。Roger Tillisonの決して上手くはない、味のある歌にもグッと来てしまいますしね。
そして、これが折り紙付きのセッション・ミュージシャンたちによってスタジオ・ライヴ形式で録られたというんですから溜め息ものですよ、もう。
Roger Tillisonの出自はBob Dylanから影響を受けたフォークとのことですが、1960年代後半にはサイケデリック・ロックの波に煽られて企画ものアルバム(?)を夫妻で作っていたりするんですね。その間にも作曲家として活動したりとそれなりにほろ苦い経験を積んで来たんでしょうか。
数年前に2枚目のアルバムを発売して来日公演を行ったという話を小耳に挟んだこともありますし、何かと波瀾万丈なんですね。
そんなことも本作を聴いてしまうまったく関係ないですね。それをサザン・ロックとは呼べないでしょうし、はたまたスワンプ・ロックなのかも良く判っていませんが、噛めば噛むほどに味わい深いこの素晴らしい音楽、男前ロックに認定です。
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