Darrell Banks / Darrell Banks Is Here! (1967)

新緑の季節に似つかわしくないのかも知れないんですけれども唐突に聴いてみました、Darrell Banksの『Darrell Banks Is Here!』(1967)というアルバム。デトロイト・ソウルの名盤であることは周知の通りですよね。そして、そのDarrell Banksが不世出の名シンガーであることも。
Revilot Recordsから発売されたデビュー・シングルのM6「Open The Door To Your Heart」がつとに有名でして、この1曲のために本盤を購入してみたようなものでしたが、それ以上にお釣りが返って来たという感じでしょうか。
勿論、このM6「Open The Door To Your Heart」の出来こそ抜きん出たものがある訳ですけれども。歯切れが良いのにずっしりと手応えのある演奏に乗る伸びやかなDarrell Banksの歌声が見事に映えていますね。
続くシングル曲のM8「Somebody (Somewhere Needs You)」にも胸躍らされるノーザン・ソウル印がくっきりと刻まれていますよ。ギラギラと黒光りしつつ、目も眩むほどの瑞々しさなんです。
この『Darrell Banks Is Here!』にはAtco Recordsへ移籍してからのシングル群もたっぷりと収録されていまして。
M1「Here Come The Tears」で魅せる意外にもしっとりした感触とは対照的なM2「I've Got That Feelin'」や「Angel Baby (Don't You Ever Leave Me)」などの弾けっぷりは聴きものですね。このノーザン・ソウルの溌剌さとディープ・ソウル張りの歌い込みとの邂逅。これこそDarrell Banksならではなんですよね。
こんな具合にアルバム1枚がほとんどシングル曲の寄せ集めなのはソウル・ミュージックでは結構、当たり前ですので気にしても仕方ないとしまして。
ほかにもやはり弾力性溢れるM5「Our Love (Is In The Pocket)」に締めくくりはじっくりと聴かせる「You Better Go」の妙味。素晴らしいとしか言いようがないです。
「I've Got That Feelin'」Darrell Banks
「Open The Door To Your Heart」Darrell Banks
「Open The Door To Your Heart」Darrell Banks
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