Duglas T. Stewart And Company / Frankenstein (1996)

今月のBMX BanditsはDuglas T. Stewartのソロ・アルバム、『Frankenstein』(1996)です。
名義としてはDuglas T. Stewart And Companyでありますが、これはジャケット写真からして気合いを入れ過ぎですね。
『Theme Park』(1996)から『Down At The Hop』(2003)までが結構、空いていたのでその間に録ったのかと思えば、そうでもなく。
唐突に発売されたソロ作品。どちらかと言えばカヴァー曲中心ですし、迎えた助っ人たちの数が多いものの人脈的にはBMX Banditsと共通する部分ばかりですので一聴して代わり映えはしない方ですが、音の使い方や作りには実験的な趣きが少し強いところもありまして、そういう意味では新鮮味がありますよね。
冒頭のM1「Unbreakable Heart」からとても優しくて柔らかい感触に癒されますね。この1曲だけでもDuglas T. Stewartの私生活が垣間見えるようなぬくもりが感じられるんです。手作り感覚が顕著ですね。
また、Brian Wilson作のM2「Hey Little Tomboy」やM5「Tones」、M11「Tones #2」を収録していることからもDuglas T. Stewartの趣味が全開なのが微笑ましいんですよね。何と言ってもBMX Banditsでは絶対に演らないことですからね。
M3「Daddy Daddy」は愛娘のRhonda Stewartちゃんによる独唱です、物怖じしないすでに堂に入った歌は聴きものですよ。
『Star Wars』(1991)では「Yo Yo Song」という幼き日のDuglas T. Stewartが歌う姿が披露されているんですよね。この親にしてこの娘ありといったところでしょうか。
M7「Snow」はRandy Newmanの絶品カヴァーです。
これがもう素晴らしくて仕方ありません、原曲が素晴らしいので当たり前と言えば当たり前なんですけれどね。
Katrina Mitchellが歌うやけに神秘的なM8「Into The Moon」や少し変態的なM13「Title Track」なんかもBMX Banditsでは演らないようなものですね。
無音のM12「Gap (Ten Seconds Of Silence)」を含む全14曲、30分ちょっとという収録時間も気軽に聴くことの出来る長さです。
Vinyl Japanからの発売ですし何年も後には本当に貴重な1枚にあるんじゃないでしょうか。と言うものの、とっくに15年近くも経っているんですよね。まったく顧みられていないのは何とも残念なことです。
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