The Kinks / Face To Face (1966)

『Something Else By The Kinks』(1967)やら『The Kinks Are The Village Green Preservation Society』(1968)やら『Arthur Or The Declin And Fallof The British Empire』(1969)やらの紙ジャケット仕様拡大版の発売が延期されたとのことで、何だか気が楽になった今日この頃。いつになっても構わんのです、いずれ発売していただければ。
さてさて、そんなThe Kinksの『Face To Face』(1966)です。現行版CDには相変わらずM16「Dead End Street」などのシングル曲が追加収録されていまして、ありがたい限りですね。
1960年代も折り返しますと数多のビート・グループを取り巻く環境も変化して行く最中だったのでしょうか、ブルースやR&Bに拘泥する者や感性を先鋭化させ独自のロック・ミュージックを追求する者に、紫煙に巻かれて戻って来れなくなる者といろいろのようですね。
The Kinksが凡百のビート・グループから脱却してThe Kinksたらしめる段階へと駆け上がる端緒となったであろう1枚がこの『Face To Face』辺りではないかというのは周知の事実だったりしますよね、きっと。
紆余曲折を経て、なお過渡期と言えども収録曲の充実ぶりには目を見張るものがありますよね。平たく言ってしまうとこれまでとは表現方法の幅が段違いの広がりを見せていること、これに尽きるんでしょうか。画期的というか意義深いというか。
結果として、いよいよ我が道を突っ走る姿が刻まれていますしね。
また、The KinksというグループだけでなくRay Daviesの個性、作風が確立しつつあったという側面も見逃すことができませんよね。
ロック・ミュージックの文脈から離れて行こうとするかのような欲求やら衝動が表現力やら描写力を高めて行くのを窺えると思います。それはもうThe Kinksならではの群を抜いた高さかと。
結局は思った通りに仕上げられずに不本意な形での決着だったのかも知れませんが、大名曲のM13「Sunny Afternoon」についてどうこう言うに及ばずファンならずとも1960年代中期のブリティッシュ・ビートとして楽しむことが出来ますし、ファンにとっては過渡期ならではの試行錯誤の様子を追うことが出来ることでしょう。
♪「Rosie Won't You Please Come Home」The Kinks
♪「A House in the Country」The Kinks
♪「Sunny Afternoon」The Kinks
♪「A House in the Country」The Kinks
♪「Sunny Afternoon」The Kinks
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