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Daniel Johnston / Continued Story / Hi, How Are You (1989)

hi
Daniel Johnstonの『Continued Story / Hi, How Are You』(1989)という編集盤です。『Hi, How Are You』(1983)と『Continued Story With Texas Instruments』(1985)というカセット・テープ作品を抱き合わせたCDですね。
不釣り合いなことに、最近ではデジタル・リマスター化までされているそうで。


孤高の天才と目されているDaniel Johnstonではありますが、この1980年代中盤の『Continued Story With Texas Instruments』の段階でスタジオ入りして、しかも外部ミュージシャンが参加していたというのは興味深い点ですね。
手堅いようで素人臭い演奏との共鳴は不自然なようでいて不思議と違和感はなく、粗いバンド・サウンドに囲まれて気持ち良さそうに歌っていますよ。


そうしたスタジオ録音の合間には当然、宅録作品も挟み込まれていまして。
Hi, How Are You』に原曲のM24Running Water」が収録されていますが、どこぞのお子さまを招いてのM6「Running Water Revisited」なんてのがあったり、ピアノの弾き語りで憧れのThe Beatlesをカヴァーした7「I Saw Her Standing There」が心配したくなるほどに物悲しかったりします。


M8「Casper」は先日の『Yip/Jump Music』(1983)収録の「Casper The Friendly Ghost」の別テイク。荒削りにもほどがあるとは言え、声を重ねてみたりと意外と凝った作りなんですよ。


M15「Poor You」からが『Hi, How Are You』の始まりです。
M16「Big Business Monkey」とM17「Walking The Cow」は件の『Yip/Jump Music』の作品群と同様のオルガン主体で力任せのパーカッションが乱舞する完成度の高さ。
極上のメロディーも健在、歌声もまだまだ若いですね。


宅録が当たり前というかそれしか方法がなくてもひとり多重録音を難なくこなしている訳ではまったくなくて、浅い知識で場当たり的に録り溜めては吐き出しているところもありまして。
The Unfinished Album”という副題に相応しく、こちらの『Hi, How Are You』の方にも至って断片的な要素も含まれているので、こういう支離滅裂さがやはりDaniel Johnstonの本領ですよね。


仕舞にはスタンダードらしき音源をカラオケ代わりにして得意げに歌うM25「Desperate Man Blues」にしてもある意味で貴重ですし。
連作のようなM26「Hey Joe」、M28「Keep Punching Joe」にM29「No More Pushing Joe Around」とせっかく物語性が強いのにいちばん最後にそれまでの収録曲の断片を適当に繋ぎ合わせた音源が付け足されていたりと節操のなさが良い加減です。


どうしてこうなった。
♪「 I Saw Her Standing There」Daniel Johnston



どうして犬が。
♪「Etiquette」Daniel Johnston



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北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
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