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Daniel johnston / Yip/Jump Music (1983)

yipjumpmusic
Daniel johnstonの『Yip/Jump Music』(1983)です。5枚目のアルバムだそうです。
1980年代前半、Daniel johnstonの初期作品というのはカセット・テープの形で世に出されたのですけれど、1989年にHomestead RecordsによってCD化されて広く流通したのではと思います。


本作は1983年の4月から5月にかけて録音されておりまして、およそオルガン主体の楽曲がほとんどですよ。ギターをかき鳴らしているのはM3「Sorry Entertainer」くらいでしょうか。
やや先鋭的なM10「The Creature / Third Chair」やM15「Rocket Ship」などが含まれていますが、そこいら中に名曲が転がっています。信じ難いことですけれど、それが事実なんです。


乱暴なパーカッションが飛び交い鍵盤を叩く音まで聞こえて来るM1「Chord Organ Blues」から始まりまして、2曲目はその名もずばりのM2「The Beatles」ですよ。堪りませんね、これは。
特有の甲高い歌声はまだ若々しくてたどたどしくて、The Beatlesへの憧憬を包み隠さず吐き出しています。


4曲目は大名曲、M4「Speeding Motorcycle」。珠玉のメロディーが走り出しますよ。素敵過ぎます。
素っ頓狂なかけ声も胸に突き刺さりますね。

M5「Casper The Friendly Ghost」、これも名曲です。ピッチもテンポも不安定ではありますが、実は良く練られているんです。
M6「Don't Let The Sun Go Down On Your Grievances」でのちょっとした展開の仕方にもただただ驚いていましますね。Daniel johnstonがいかに才能の塊かということが良く判るはずですよ。


真摯に歌われるM11「I Live For Love」やM13「Worried Shoes」には本当に胸を締め付けられる思いですね。拙いオルガンの調べと哀しみ誘う歌声には涙がこぼれそうになります。


終盤にこれまたひと波乱があるんですよ。
1分足らずにかかわらず敬虔な念が伝わって来るM17「Love Defined」に続くM18「Museum Of Love」がとてつもない名曲なんです。大好きで仕方ありません。溢れんばかりの才能がとぐろを巻いています。
土足で胸の内に踏み込んで来るは心の琴線を掻き乱して行くはでなすがままなのがオチなんです。こんなことがあるなんて!


最後はM20「I Remember Painfully」です。この一撃にも感嘆するほかありません。
このM20「I Remember Painfully」を聴いていますと、Daniel johnstonとしては決して独りで自作の歌を歌っていれば良い訳ではなくて、やはり誰かに聴いてもらうためにも演っているんだろうなと思えて来ます。きっと、そういうところがあるんだと思います。



名曲です。
♪「Speeding Motorcycle」Daniel johnston



名曲であります。
♪「Casper The Friendly Ghost」Daniel johnston



名曲なんです。
♪「Don't Let The Sun Go Down On Your Grievances」Daniel johnston



ただの名曲です。
♪「Museum Of Love」Daniel johnston



名曲でしかありません。
♪「I Remember Painfully」Daniel johnston












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北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
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