BMX Bandits / Gettin' Dirty (1995)

今月のBMX Banditsはアルバムの方の『Gettin' Dirty』(1995)です。
まずは何故にこんな貧相なジャケット写真にするのだろといった具合ですね。
シングルとして切り直した『Serious Drugs / Little Ponny』(1994)の路線を引き継がずに、一聴して従来路線のBMX Banditsだと思われがちかも知れませんが、ちょうど本盤の制作、録音時にDuglas T. Stewartが子を授かるという時期だったために音使いも含めましてだいぶまろやかな内容になっていますね。
ちなみにその子の名前はRhonda。そうです、「Help Me, Rhonda」が由来ですね。Duglas T. StewartのThe Beach Boys贔屓も相当ですよね。
そういった出来事を差し引いても、どこか幸福感というかほのぼの感というか、そういうほんわかとした雰囲気が漂っていることが特徴でもあり、悪くはないな程度の聴取感を引き出してしまうのではないかと思ったことがあります。
今、改めて聴いてみますとそれほど悪くはなんいですね。
シングル曲でもあるM1「Gettin' Dirty」はさて置きまして。M2「Hello Again」、M3「Lost Girl」、M4「Love, Come To Me」、M10「I Could Fall In Love」、M11「Baby, I'm With You」、M14「On The Road To Heaven」といった具合に本当に佳曲だらけなんですよ。
前作の『Life Goes On』と比べてみましとストリングスの被せ方が若干、厚めでしょうか。エッジの甘さはあるようです。
こんなにも粒ぞろいにもかかわらず、ハッとさせられるのは意外にもSushil K. Dade作のM9「Rays Of Golden」くらいで、しかも、それほどには突き抜けた感を感じさせてくれるものでもないんです。不思議ですよね、それぞれに水準が高いことは確かなのですけれど。
収録曲のほとんどに絡んでいるFrancis MacDonaldの成長ぶりには舌を巻くほかないのに。
それ以外で面白いのはM5「No Future」でしょうか。
Teenage Fanclubに『Grand Prix』(1995)というアルバムがありまして、実は「Tears」という収録曲がこのM5「No Future」の原曲でもあるんですね。
ちょうど『Grand Prix』と同時期の録音であったのか、本盤にも参加してるTeenage FanclubのNorman Blakeから譲り受けてDuglas T. Stewartが歌詞を改変したものだったりします。
最後のM15「Little River Of Spring」は、そうです、あの春の小川です。素晴らしく美しい仕上がりですよ。
Duglas T. Stewartの日本贔屓も相当ですよね。
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