Daniel Johnston / Laurie (1992)

新作アルバムの『Is And Always Was』(2009)が既に届いているのか定かではない(多忙のため、という言い訳)Daniel Johnstonの、7インチ・シングルのご紹介。
そうです、旧ブログの『とばすぜ ハイウェイ』からの転載ですよと。
異形の天才、Daniel Johnston。彼の存在自体が奇跡のようなシンガー・ソングライターです。
本作はイギリスのSeminal Twangから発売された4曲入り7インチ・シングル、『Laurie』(1992)です。
M1「Laurie」は『Artistic Vice』(1991)収録曲とは別テイクのものです。どこか本人によるものには聞こえない流暢なトイピアノに胸が躍ります。
最愛の女性に対するその純粋な感情表現が美しくもあり痛々しくもあります。この辺の表現力がDaniel Johnstonの歌の存在感を強烈に際立たせる要因とも言えるのではないでしょうか。
M2「The Monster Inside Of Me」はピアノ弾き語りによるものです。自らの心に潜むぬえの存在を包み隠さず開陳しています。
彼の楽曲には他に「I Killed The Monster」というものが件の『Artistic Vice』に収録されています。“The Monster”という題材が彼にとって重要なのかも知れません。
M3「Whiz Kid」もまた、実に美しい旋律を持つのですが、そのうえ終盤にかけて炸裂するハミングに思わず感涙。
同じくピアノ弾き語りのM4「The Lennon Song」は勿論、敬愛するJohn Lennonへ捧げる1曲です。
彼が現在でも活動を継続し、他に類を見ない美しい音楽を発信することが出来る立場でいることに勝手ながら驚きを禁じ得ません。
世の中、捨てたものではありませんね。
といった具合で改めて耳を傾けてみますと、その純粋さが痛々しいくらいです。歴然としていますね、純粋であるが故の痛々しさ。
ただ、そこから目を逸らしてしまってはいけませんよね。Daniel Johnstonを知ってしまった以上、縁起が悪いとは言え我々には最期を看取る義務があるんじゃなかろうかと思う訳なんです。
♪「Laurie」Daniel Johnston
怪物くん。
♪「The Monster Inside Of Me」Daniel Johnston
泣きそう。
♪「Whiz Kid」Daniel Johnston