
“週末ヒロイン”
ももいろクローバーZのシングル、『
労働讃歌』(2011)です。賛否両論を巻き起こしたようですが、発売された当時には完全に蚊帳の外でした。
百田夏菜子のえび反りジャンプのおかげでその存在をすでに知ってはいましたが、ちんちくりんな小娘たちが頭にネクタイを巻き付けて省エネ・スーツを身に纏っているということだけで
ももいろクローバーZのことを毛嫌いしていたというのが本当のところでした。今ではこんなに染まっているのが嘘のようです。
それから聴かず嫌いの延長で先日まで本盤をきちんと聴かないでいたままでした。
大槻ケンヂによる作詞というこのM1「
労働讃歌」。実際のところ思っていたよりもまともな印象を受けたんですが、これはもうインストゥルメンタル版のM4「
労働讃歌 (off vocal ver.)」の方がずっと面白いですね。
終始、16ビートを刻むワウ・ギター。そして高らかに鳴り響くホーン。一聴して1970年代の映画のサウンドトラックの雰囲気が満載じゃありませんか。かえって歌詞は余計というか無理に歌を乗せなくても聴き応えがあるというか果たして
ももいろクローバーZが演る意味があるのかどうかと言ってしまったら身も蓋もない話ですけれども。
作曲と編曲を手掛けたのは
The Go! Teamの中心人物とのことですが、ここではそのままそっとしておきましょう。
次はM2「
サンタさん」。
前山田健一による作詞、作曲、そして編曲ということでいかにもはちゃめちゃなクリスマス・ソングです。終盤には「
ココ☆ナツ」のサビが放り込まれるという荒技が炸裂するも巧くまとめ上げられているというとても楽しいものです。
さてさて、毛嫌いしていた
ももいろクローバーZを一気に好きなってしまったきっかけとしてこのM2「
サンタさん」が挙げられます。
偶然に見かけた『
ゴッドタン』の「照れカワ芸人」の中で“ヒムれにのぉ↑↑ちょっといいとこ見てみたい”の連打にすっかりとやられてしまったからです。ひたすら衝撃的でした。革命的でした。
M3「
BIONIC CHERRY」は映画主題歌だそうです。いつもの
ももいろクローバーZらしくないとても直線的で、珍しくタテノリの1曲ですね。意外ではありますが、難なくこなしている様子です。
本盤といい別名義ながらも最新シングルの『
ニッポン笑顔百景』(2012)といい何かと回り道させられている気がするのは何故なんでしょうか。
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