Pale Saints / Mrs. Dolphin (1991)

Pale Saintsの『Mrs. Dolphin』(1991)です。
入手困難な初期の音源などを含む日本独自編集というありがたいCDです。
1989年発売のEP、『Barging Into The Presence Of God』からの全3曲というのは言わずもがなの名曲、M1「Sight Of You」と素人臭さ丸出しのM2「She Rides The Waves」、すでに独特な美意識を発揮させたM3「Mother Might」です。
M5 「A Deeper Sleep For Steven」と同様に大名盤、『The Comforts Of Madness』(1990)にも収録されているこのM1「Sight Of You」も別ミックスなのか、はたまた別テイクなのか違いがほとんど判りません。
ただし、件のアルバムでは曲間を繋いでいるインストゥルメンタルが省かれていますので、そういう意味では新鮮ですね。
未発表のM4「Colours And Shapes」がこれまた素晴らしい1曲ですよね。爽やかなフォーク・ロックを基調にしつつもPale Saintsらしい毒気を纏った音の作り。まさしく拾い物ですね、これは。
一方で『Half-Life』(1990)からの5曲がいまひとつといった感です。
『The Comforts Of Madness』(1990)後のこのEPからMeriel Barhamという元Lushの一員が強引に加入しているんです。のちに中心人物のIan Mastersがグループから抜けてしまいますのでその均衡が崩れつつあったことは間違いのないところでしょう。
良い線を行っているM6「Half-Life, Remembered」やM7「Baby Maker」にしても小手先の工夫を見て取ることは出来ましても以前よりも神秘性に欠けていたり耽美的な魅力が不十分に思えるんです。
いかにも4ADらしい音なだけに惜しいところなんですよ。
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