U2 / October (1981)

U2の2枚目のアルバム、『October』(1981)です。
この手のジャケット写真はもうこれきりではないでしょうか。
まったくの後追いで聴き始めた10代後半、その当時にはこの『October』を熱心には聴いていませんでした。
変幻自在に煌めくThe Edgeのギターが聴きもののシングル曲、M1「Gloria」が神々しさまでに感じられる素晴らしいものなのでこの1曲ばかりに注目していたのは無理もないとして、鮮烈な『Boy』(1980)の後にしてはやはり、おとなしい作りなんですよね。
一聴して地味な印象を拭うことは難しい内容ですし、次作の『War』(1983)がこれまた強烈なので余計にそういった先入観で凝り固まってしまうんです。
具体的には中盤の異色作、M6「Tomorrow」やピアノを導入した表題曲のM7「October」と後味がいまひとつのM10「Scarlet」辺りの影響でしょうか。
それでも、改めて耳をすませて聴いてみますとThe Edgeは自分がギターで出来ることを最大限にやってのけているようですしぎこちないリズムに関してもだんだんとましなものになって来たと感じさせますので、実際には想像以上に野心的な1枚だったりするかも知れないですね。Bonoの強固な意志を感じさせる歌声も相変わらずです。
そんなことに気が付かされました。
一見して焦点が定まっていないようでいてM5「Fire」に象徴されるように静かに熱いアルバムだと言えそうです。
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