18 Wheeler / Suncrush (1993)

映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)で紹介されず終いだったグループのひとつに18 Wheelerもあります。本盤、『Suncrush』(1993)などのシングル盤を除くアルバム3枚がCreation Recordsから発売されたという変わり種です。
旧ブログからの転載です。
Creation Records傘下ながら、人知れず短命に終わったAugust Recordsから発売された18 Wheelerのシングル盤、『Suncrush』(1993)です。
少しばかり落ち込んでいた今日この頃、オオシマさんの記事に出くわして気持ちが上向いて来ました。オオシマさん、どうもありがとうございました。
好評を博したというデビュー・シングルを抜けぬけと素通りしてしまっていますが、この2枚目のシングルさえあれば大満足というくらい素晴らしい出来栄えです。
表題曲のM1「Suncrush」には我らが女神、Idhaが全面的に参加していましてヴォーカルを分け合っているんですよ。
ペダル・スティールの音がたなびくカントリー風味は彼女の『Melody Inn』(1994)にそのまま通じるものがありまして、まさに適役ですね。
この爽やかさと甘さの絡まり具合が堪らないっす。
またもやペダル・スティールを取り入れたM2「Yer Eyes」がどう転んでも独特の爽やかカントリー路線の1曲です。
前半のこれら2曲は申し分のない清く正しく朗らかなギターポップなのです。
意外なまでにハードな感触を露にした疾走ナンバーのM3「Falling Out Of Love」に続くのがM4「Some Things Last A Long Time」です。
不思議というか驚きというか、この4曲目はあのDaniel Johnstonのカヴァーなんです。
18 Wheelerと彼の音楽というものがどうしても結びつかないのですけれども、ここでは清らかなギターポップとは着かず離れずの彼岸の音が鳴らされています。
本家と比較にならないほどに柔和な仕上がりな訳ですけれど、意外性に富んだ選曲です。
そんなこんなでこれ以降のアルバムも何も聞いたことがないのですけれど、この1枚で以て既に満腹状態なんです。
上掲の通りに結局はこの1枚で済ませております。今頃はどうなっているかなど知る由もございません。