Ride / Waves (2003)

ついでのついでにまたもやRideです。映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)の中で中心人物だったAndy BellとMark Gardenerのふたりが並んで出演していましたね。
本盤はそんなRideのBBC音源集、『Waves』(2003)です。
デビューEPから最初のアルバムの『Nowhere』(1991)直後くらいまでが大好物でして『Carnival Of Light』(1994)以降を未だに聴いたことがないんです、実は。
本盤で言いますとM11「Birdman」からの7曲がそれに当たる訳なんですけども。なかったことにする訳にもいきませんが、これはもうそのまま後期のアルバムのことを忘れていても構わないんだと確信する次第です。
気を取り直しまして。熱狂の渦に叩き落としてくれた曲たちが並ぶ前半部分について公式テイクとセッションでの演奏にはそれなりの開きがありまして、その違いを楽しむというよりも別物として取り扱う次第です。平たく言えばいかに公式テイクの完成度が高いかということですね。
例えば捻りのないM3「Perfect Time」は特に見劣りしないんですが、M2「Dreams Burn Down」などでは粗が目立つというか貧相な印象を受けます。音の厚み、重なり方がまったく異なります。轟音ギターも形なしといったところです。
M1「Like A Daydream」での青臭さと爽快感が入り混じった感覚は今でも希有なものですし、攻めの姿勢が感じられるM5「All I Can See」にしてもサイケデリックな色彩が残っています。
それからPale SaintsをカヴァーしたM4「Sight Of You」は嬉しい1曲ですね。この耽美的な代表曲を少し強引にまとめているのも聴きどころです。
『Going Blank Again』(1992)収録のM8「Time Of Her Time」とM9「Not Fazed」とM10「Mousetrap」の3曲はとても締まりのある演奏なので安定感も抜群なんですが、もはやここにも自分の追い求めるRideなんていやしないんだなと痛感する次第です。
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