冒険物
『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリー・フィンの冒険』は定番中の定番。四半世紀ぶりに読んでみるのも良さそうです。
ぱんややーん〜!
Teenage Filmstarsというのは元々、Edward Ballが1970年代末から活動を始めたというグループです。その頃に残したシングル曲からは、彼が掛け持ちしていたTelevision Personalitiesと同じ匂いを感じ取れます。
前作『Lift Off Mit Der Teenage Filmstars aka Star』(1992)を喩えて言うのなら眼前に渦巻く極上のサイケデリアか、はたまた自らの脳内に広がる無限の宇宙かといった壮絶なる内容でした。
後半で垂れ流しにされる月面基地の様子(←勝手な想像)も含めて強烈極まりない酩酊感に襲われてしまいます。
また、その1992年というと、My Bloody Valentineの『Loveless』が発売された年です。際限なく膨らんだその制作費ゆえにCreation Recordsを傾かせたと言われている訳です。
同じ時期に覆面ユニットよろしく、大真面目なおふざけを認める気概に溢れる点がCreation Recordsの面白いところと言えるのかも知れません。
肝心の本作『Rocket Charms』となるとこれが何とも申し上げ難い内容です。前作以上に混沌とした音像は崩壊寸前そのもの。通して聞くことが大変辛い1枚です。
では何故にCD購入後、さらにアナログ盤まで買い足してしまったのかと言えば、ひとえにこのジャケット・デザインの素晴らしさに尽きます。手持ちのレコード類の中でいちばんのお気に入りという単純な理由でしかありません。
余程売れなかったのでしょうか。本国イギリスではアルバムを発表するまでに至らなかったカルトなモッド・バンドのThe Creationですが、ネオ・モッズ勢やAlan McGee主宰のCreation Records関連に顕著なように、脈々と影響を与え続けてきました。
本作は人気のあったドイツで作られたアルバムを基に、未発表テイクやThe Mark Four時代の音源を含む大量のボーナス・トラックが追加された編集盤です。
The CapitolsのM1「Cool Jerk」、Bob DylanのM4「Like A Rolling Stone」、定番のM11「Hey Joe」といったカヴァー曲のほかに自作のM2「Making Time」、M7「Try And Stop Me」、M9「Biff Bang Pow」、M12「Painter Man」、M14「Sylvette」などが目立ちます。
そんな佳作揃いの中、凶暴なギター音が唸りを上げるM13(US Version)」に止めを刺します。
Creation Records傘下ながら、人知れず短命に終わったAugust Recordsから発売された18 Wheelerのシングル盤、『Suncrush』(1993)です。
少しばかり落ち込んでいた今日この頃、オオシマさんの記事に出くわして気持ちが上向いて来ました。オオシマさん、どうもありがとうございました。
好評を博したというデビュー・シングルを抜けぬけと素通りしてしまっていますが、この2枚目のシングルさえあれば大満足というくらい素晴らしい出来栄えです。
表題曲のM1「Suncrush」には我らが女神、Idhaが全面的に参加していましてヴォーカルを分け合っているんですよ。
ペダル・スティールの音がたなびくカントリー風味は彼女の『Melody Inn』(1994)にそのまま通じるものがありまして、まさに適役ですね。
この爽やかさと甘さの絡まり具合が堪らないっす。
またもやペダル・スティールを取り入れたM2「Yer Eyes」がどう転んでも独特の爽やかカントリー路線の1曲です。
前半のこれら2曲は申し分のない清く正しく朗らかなギターポップなのです。
意外なまでにハードな感触を露にした疾走ナンバーのM3「Falling Out Of Love」に続くのがM4「Some Things Last A Long Time」です。
不思議というか驚きというか、この4曲目はあのDaniel Johnstonのカヴァーなんです。
18 Wheelerと彼の音楽というものがどうしても結びつかないのですけれども、ここでは清らかなギターポップとは着かず離れずの彼岸の音が鳴らされています。
本家と比較にならないほどに柔和な仕上がりな訳ですけれど、意外性に富んだ選曲です。
そんなこんなでこれ以降のアルバムも何も聞いたことがないのですけれど、この1枚で以て既に満腹状態なんです。
Oasisの1作目『Definitely Maybe』(1994)と2作目『(What's The Story) Morning Glory?』(1995)というそれぞれのアルバムの間に位置するシングルの『Whatever』(1994)を日本盤CDで持っています。
表題曲は昨年に発売されたベスト盤にも収録され終いですから、未だにアルバム未収録曲として放置されています。
先日、偶然にNoel Gallagher単独のアコースティック・ライヴをテレビ放送にて観たことから引っ張り出して来ました。そのツアーに実際には同僚のGem Archerが帯同していましたけれども。
それはパリ公演の模様でして、M1「Whatever」を演奏する際にフランスと日本で人気があるとの発言がありました。
この日本編集盤は、直前のシングル『Cigarettes & Alcohol』(1994)からのB面曲をも抱き合わせたものですので、熱心な聞き手ではない身としては大変重宝しています。
1990年代半ばと言いますと相変わらずギターバンドを中心に聴いていたものの、徐々にCreation Recordsから離れて行った時期でもあります。
そこへ“俺は俺である必要がある”と歌われてもそれだけで疎ましく思えてしまいました。大口を叩く大型新人だとかBlurとの諍いだとかなどは本当にどうでもよろしかったのです。
そんな中で単純に楽曲が素晴らしいという話を聞きつけて、早々とこの徳用盤を購入してみたのです。しばらくの間はM1「Whatever」にすっかり惚れ込み、繰り返し聴き込んだものです。
ほどなくして、曰く付きの1曲であることを知りました。出だしの“I'm Free To Be Whatever I”の部分がNeil Innesの「How Sweet To An Idiot」の一節にそっくりという訳です。
The RutlesのRhino Records盤CDでしたら大いに楽しんでいましたし、彼の『How Sweet To An Idiot』(1973)を基にした編集盤がちょうど発売されたので、その『Re-Cycled Vinyl Blues』(1994)に飛びついてしまいました。
結果を申し上げますと、そのまま、でした。同じく歌い出しです。歌詞が違うだけです。
そもそもがこのM1「Whatever」にThe Beatlesの「All You Need Is love」(1967)の趣きを見て取れますし、印象的なストリングスは『Magical Mystery Tour』期のそれを彷彿とさせます。
Neil Innesがこれに対してどう応酬したのかは次の機会に譲ることにしますけれども、上手くやり返したことは確かです。
それはともかくとして、OasisのシングルB面曲群が秀逸であることは周知の通りでして、Noel Gallagher自身が歌うM5「Half The World Away」を始めいかにも1960年代のガレージ・バンドが演りそうな勢い任せのM3「Fade Away」など、侮れない内容に違いありません。
ただし、最後に置かれたM6「I Am The Walrus (Live At Glasgow Cathouse June '94)」については、とてつもなく詰まらない出来です。面白みも機微も何もありません。
不躾な演奏としか感じませんし、よりによって「I Am The Walrus」The Beatlesに挑もうという心境を解せません。