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冒険物

本日、11月30日はMark Twainの誕生日。アメリカ文学の巨匠ですね。


『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリー・フィンの冒険』は定番中の定番。四半世紀ぶりに読んでみるのも良さそうです。


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将来やってみたいこと

今年もGoogle主催のDoodle 4 Googleの受賞作品が発表されました。今回のテーマは「将来やってみたいこと」ということで対象の小中高生らしい発想のデザインが見ものですよね。


じきに40歳を迎えるおっさんにはほとんど意味のないテーマに対して少し涙目になるのはここだけの話です。


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Swervedriver / Raise (1991)

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映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)の中で紹介されたという記憶もあやふやになって来たSwervedriverの『Raise』(1991)の出番です。


Dinosaur Jrに代表されるアメリカ勢の存在も大きいものがありますが、やはりMy Bloody Valentineによる影響は絶大だった訳ですよね。1990年代の初頭には雨後の筍のように轟音ギターを垂れ流すグループがたくさん現れていたんですから。このSwervedriverの場合にも、デビュー・シングルの『Son Of Mustang Ford』(1990)から話題になっていました。
次の『Rave Down』(1990)にしても期待を裏切ることがなかったようですし、骨太でいかつい音の作りは差別化に少しは寄与していた気がします。


実際に初めて聴いたのは3枚目のシングル、『Sandblasted』(1991)でした。未だに印象が強く残っています。思っていたより重たいギター・リフもすっかりと気に入ってしまったので続けてこの『Raise』も購入してみたという経緯があります。
ちょうど浪人生活から解放された年でしたので好奇心に任せて聴き漁っていた時期でもありましたし、好き勝手をやっていましたね。


本盤もそれなりに売れたんでしょう、来日公演を観に行ったことがありますよ。内容についてはまったく記憶にないんですかれども、開演前に中心人物のAdam Franklinがフロアを徘徊しているところに出くわしたことなら憶えています。


久しぶりに聴いてみますとシングル曲が特に際立っているのは仕方のないことですよね。その3曲を上手く散らしていますし。M5「Rave Down」については前述のように期待を裏切る云々どころか周囲に期待を遥かに上回るような出来だったんだろうなと思い直しました。Creation Recordsという括りを外しても、この1曲だけでもSwervedriverの存在価値というものがあるはずです。ですよね。


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Teenage Filmstars / Rocket Charms (1993)

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前回に引き続きTeenage Filmstarsを。アルバムとしては2枚目の『Rocket Charms』(1993)です。
現在では以降のアルバムと抱き合わせで再CD化されているようですね。旧ブログからの転載です。


Teenage Filmstarsというのは元々、Edward Ballが1970年代末から活動を始めたというグループです。その頃に残したシングル曲からは、彼が掛け持ちしていたTelevision Personalitiesと同じ匂いを感じ取れます。


前作『Lift Off Mit Der Teenage Filmstars aka Star』(1992)を喩えて言うのなら眼前に渦巻く極上のサイケデリアか、はたまた自らの脳内に広がる無限の宇宙かといった壮絶なる内容でした。
後半で垂れ流しにされる月面基地の様子(←勝手な想像)も含めて強烈極まりない酩酊感に襲われてしまいます。


また、その1992年というと、My Bloody Valentineの『Loveless』が発売された年です。際限なく膨らんだその制作費ゆえにCreation Recordsを傾かせたと言われている訳です。
同じ時期に覆面ユニットよろしく、大真面目なおふざけを認める気概に溢れる点がCreation Recordsの面白いところと言えるのかも知れません。


肝心の本作『Rocket Charms』となるとこれが何とも申し上げ難い内容です。前作以上に混沌とした音像は崩壊寸前そのもの。通して聞くことが大変辛い1枚です。


では何故にCD購入後、さらにアナログ盤まで買い足してしまったのかと言えば、ひとえにこのジャケット・デザインの素晴らしさに尽きます。手持ちのレコード類の中でいちばんのお気に入りという単純な理由でしかありません。



本作をそれほど聴く気にならないのは相も変わらず。それに反比例してこのジャケット・デザインは未だにとても魅力的です。


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Teenage Filmstars / Lift Off Mit Der Teenage Filmstars aka Star (1992)

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ついでのついでにTeenage FilmstarsというEdward Ballによるグループを取り上げてみます。
初めてのアルバムとなる『Lift Off Mit Der Teenage Filmstars aka Star』(1992)です。実際には架空のグループによる実験的な要素が強い1枚と言えそうですけれども。


もともとはTelevision PersonalitiesDan Treacyらとつるむようになった時期から組んでいたグループが始まりだったとか。
知る限りではパンクやモッズからの影響が色濃い音だったのが10年以上も経ってからいきなりTeenage Filmstars名義で本作をCreation Recordsから発売。裏ジャケットに記載された曲名が何語のかも判らず、制作はBaby Jesusとあるんですから面白半分で購入した訳ですよ、当時。


内容としてはとにかくサイケデリックです。ただし、そのジャケット・デザインのような古めかしいものというよりも近未来的な感触のように思います。
M1「Kiss Me」などでは極度の酩酊感を放つとても刺激的な音像が襲いかかって来ます。まるで魔界にでも踏み込んでしまったかのような感覚。危険な音ですね。途轍もないですね。


この時期ですので『LovelessMy Bloody Valentineからの影響をまともに受けて思わず作ってみましたという姿が想像に難くないんですが、ここまで振り切ってくれますと聴いているこちらとしても面白がることが出来るというものです。


後半に入りますと月面旅行さながらにと言えば聞こえが良い浮遊感たっぷりの雰囲気なんですが、何だか冗長になってしまっています。すでに満腹ですのでぐうの音も出ませんが。


前回のエントリの中でEdward Ballに対して軽薄だの節操がないなどと申し上げたばかりではありますが、大人のくせにこんなに遊び心いっぱいの目立ちたがり屋がひとりくらい居ても問題ないかと。


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Here's To Old England! (2005)

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前回のエントリのついでにEdward Ball関連の編集盤、『Here's To Old England! 』(2005)を。
Creation Recordsに関わる以前、Edward Ball自身が立ち上げたArtpop!というレーベルを通して俯瞰してみましょうという“設定”の1枚。貴重な音源を含みつつ、『I Helped Patrick McGoohan Escape』(2006)とは選曲がまったく異なるので損はいたしません。


An Artpop! Compilation Featuring The Times, Teenage FilmStars, 'O'Level And Edward Ball』という副題の通りにEdward Ballの仕事ぶりを簡単に取りまとめた内容でして。もの凄く端的にEdward Ballによる創造性が提示されています。
それはつまり、良くも悪くも端正なブリティッシュ・ロックの系譜にどっぷりと浸かり切った音作りや疑似ライヴ音源を平然と使う点、それから時代の音にも添い寝する居直り方などなど、です。


ある意味で軽薄なんですよね。節操なくセカンド・サマー・オブ・ラヴの狂騒を利用したり、M12「Liam Gallagher Our Leader」ではThe TimesとしてOasisの真似事をしてどういうつもりなのかと思いますし。
それにM4「Manchester」、M5「This Is London」、M19「Cloud Over Liverpool」にM6「My Andy Warhol Poster」とかM15「Ballad Of Georgie Best」なんて曲名からして判り易いですし。


また、貴重と言いましてもTeenage FilmStarsの場合は期待していたもともとの1970年代末の初期音源ではないので残念ではあります。
'O'LevelにつきましてはRev-Olaから発売された『1977 - 1980 A Day In The Life Of Gilbert And George』(1992)を買い逃していたのでM10「We Love Malcolm」、1曲でも良しとしましょうか。


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The Times / I Helped Patrick McGoohan Escape (2006)

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映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)にきっちりと出演しているEdward Ball。あのCreation Recordsの幹部として活躍していたかと思うと苦労が偲ばれます。
そんなEdward Ballが1980年代に結成したグループがThe Timesなんですが、この『I Helped Patrick McGoohan Escape』(2006)のような編集盤が待ち遠しいかったので、随分と重宝しています。未発表ヴァージョンや別テイクがいくつも追加収録されていますので無駄にありがたいですね。


その活動を総括するような内容な訳なんですが、表題曲のM1「I Helped Patrick McGoohan Escape」といった極初期音源はやはり、もともとTelevision Personalitiesの一員だっただけありまして音の質感が同じようなものなので、それはそれで微笑ましいところではありますね。最近では元の鞘に収まっていますしね。
この辺はまったく知らないままでいたので未だに新鮮に感じます。


そして、何より全体的に古のブリティッシュ・ロックの香りが濃厚ですし、M7「Song For Joe Orton」を筆頭にThe Beatlesからの影響が顕著に現れていますよね。
M9「London Boys」やM15「Goodbye Piccadilly」といったその土地に根差した要素が満載なところもまさに魅力的です。


そんな訳でThe Timesを聴いてしまいますとブリットポップ云々などどうでもよろしくなって来るんですよ。それに最終的にはEdward Ball自身も単独作を発売するなどミュージシャンとしては充実、発展して行っている様子ではありますが、どちらかと言えば玄人受けすることに変わりないようです。


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Daguerréotype

写真を発明したとされるLouis Jacques Mandé Daguerreの誕生日が本日、11月18日だそうで。


思えば、写真の成り立ちなんて考えたこともなかったです。最近はカメラそのものすら触っていなかったりして。


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The Creation / We Are Paintermen (1967)

thecreation
映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)の中で語られていたどうか、Creation RecordsThe Creationというグループに因んで名付けされたと。終いには『Power Surge』(1999)というアルバムをCreation Recordsから発売してしまうんですよね。結成から33年ですよ。
今回はそんなThe Creationの『We Are Paintermen』(1967)というベスト盤です。
旧ブログからの転載です。


余程売れなかったのでしょうか。本国イギリスではアルバムを発表するまでに至らなかったカルトなモッド・バンドのThe Creationですが、ネオ・モッズ勢やAlan McGee主宰のCreation Records関連に顕著なように、脈々と影響を与え続けてきました。


本作は人気のあったドイツで作られたアルバムを基に、未発表テイクやThe Mark Four時代の音源を含む大量のボーナス・トラックが追加された編集盤です。


The CapitolsのM1「Cool Jerk」、Bob DylanのM4「Like A Rolling Stone」、定番のM11「Hey Joe」といったカヴァー曲のほかに自作のM2「Making Time」、M7「Try And Stop Me」、M9「Biff Bang Pow」、M12「Painter Man」、M14「Sylvette」などが目立ちます。
 

そんな佳作揃いの中、凶暴なギター音が唸りを上げるM13(US Version)」に止めを刺します。



さすがに『Nuggets II: Original Artyfacts From The British Empire And Beyond, 1964–1969』という濃厚極まりない特大編集盤の1曲目にM2「Making Time」が収録されているだけありまして、その破壊力には凄まじいものがありますね。
そう言えばRideが「How Does It Feel To Feel」をカヴァーしているんですね。


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Biff Bang Pow! / Waterbomb (2003)

biffbangpow
映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)の主役と言えば、Creation Recordsを立ち上げたAlan McGeeにほかならない訳ですが、裏方に徹してばかりいただけではなくてBiff Bang Pow!というグループを結成して何枚もアルバムを発売していました。グループ名はThe CreationのシングルB面曲から取られています。Creation RecordsについてはそのThe Creationというグループに因んで名付けたという偏愛ぶりです。
今回はそんなBiff Bang Pow!のベスト盤、『Waterbomb』(2003)です。


盟友、Bobby GillespiePrimal Screamと同様にThe Byrdsからの影響を強く受けています。特にデビュー・シングルのM10「"Fifty Years Of Fun」に顕著ですよね。
好きな部類の音ではあるんですけれど・・・。


例えば、表題曲のM1「Waterbomb」は少しパンクなインストゥルメンタル、M19「」も少し過激な曲調だったりします。また、M9「The Beat Hotel」では女性に歌わせるなどの選曲に配慮して緩急をつけてあるのもベスト盤ならではです。


但し、肝心のAlan McGee自身の歌が上手くはないので全体的に厳しいところが多いんです。ほかのCreation Recordsの連中と比べても見劣りするんですよ。面白みに欠けると言いましょうか、いろいろと向いてないんじゃないかと思う訳ですよ。
逆に言ってしまえば、実際の音楽活動の方が順調ではなかったことがレーベルにとって良い方向へ転んだ、のかも知れません。


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18 Wheeler / Suncrush (1993)

18wheeler
映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)で紹介されず終いだったグループのひとつに18 Wheelerもあります。本盤、『Suncrush』(1993)などのシングル盤を除くアルバム3枚がCreation Recordsから発売されたという変わり種です。
旧ブログからの転載です。


Creation Records傘下ながら、人知れず短命に終わったAugust Recordsから発売された18 Wheelerのシングル盤、『Suncrush』(1993)です。


少しばかり落ち込んでいた今日この頃、オオシマさんの記事に出くわして気持ちが上向いて来ました。オオシマさん、どうもありがとうございました。


好評を博したというデビュー・シングルを抜けぬけと素通りしてしまっていますが、この2枚目のシングルさえあれば大満足というくらい素晴らしい出来栄えです。


表題曲のM1「Suncrush」には我らが女神、Idhaが全面的に参加していましてヴォーカルを分け合っているんですよ。
ペダル・スティールの音がたなびくカントリー風味は彼女の『Melody Inn』(1994)にそのまま通じるものがありまして、まさに適役ですね。
この爽やかさと甘さの絡まり具合が堪らないっす。


またもやペダル・スティールを取り入れたM2「Yer Eyes」がどう転んでも独特の爽やかカントリー路線の1曲です。
前半のこれら2曲は申し分のない清く正しく朗らかなギターポップなのです。


意外なまでにハードな感触を露にした疾走ナンバーのM3「Falling Out Of Love」に続くのがM4「Some Things Last A Long Time」です。
不思議というか驚きというか、この4曲目はあのDaniel Johnstonのカヴァーなんです。


18 Wheelerと彼の音楽というものがどうしても結びつかないのですけれども、ここでは清らかなギターポップとは着かず離れずの彼岸の音が鳴らされています。
本家と比較にならないほどに柔和な仕上がりな訳ですけれど、意外性に富んだ選曲です。


そんなこんなでこれ以降のアルバムも何も聞いたことがないのですけれど、この1枚で以て既に満腹状態なんです。



上掲の通りに結局はこの1枚で済ませております。今頃はどうなっているかなど知る由もございません。


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実験マシーン

本日、11月9日は野口英世先生のお誕生日。生誕135周年になるそうです。


細菌学者の権威という畏れ多いお方ですが、いつでも懐具合を温めてくれる頼もしい存在でもあります。


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Radioactivity

本日、11月7日はキュリー夫人の誕生日です。夫君よりもずっと有名なお方。


いみじくも放射線という言葉を考え出したんですね、初めて知りました。


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The Lilac Time / The Lilac Time (1987)

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映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)で紹介されたどうかも記憶にないグループのひとつにThe Lilac Timeもあります。Creation Records絡みですと『Astronauts』(1991)がそこそこ知られていますが、今回はそんなThe Lilac Timeのデビュー・アルバム、『The Lilac Time』(1987)です。


もともと熱心に聴いている方でもなく、メジャー移籍後のことだとか中心人物のStephen DuffyDuran Duran出身だとかその後のソロ活動などを意識することもほとんどなくてですね。この『The Lilac Time』だけは好きでして、BBC音源を含む追加収録曲が満載の再発CDも購入しています。


初っ端からアコースティックな響きが素敵なM1「Black Velvet 」で一気に引き込まれてしまいます。厳かでいつつもしっとりとした感触、そしてStephen Duffyの柔らかい歌声が重なりますともう堪りませんです。
まさにヴェルヴェットの肌触り。思わず目眩すら引き起こしそうになります。


そういう意味では次のM2「Rockland」があまりにも異質なので、一気にとても残念な気持ちにさせられます。この1曲だけが浮き上がってアルバム全体の雰囲気を壊しているんですよね。どうして本作に収録されているのかまったく解せないです。


幸か不幸か早くもM3「Return To Yesterday」がいちばんの聴きどころでもあります。のんびりと牧歌的な音使いに極上のメロディー、どこまでも優男な歌声。止めはほんのりと薄味のパッパラ・コーラス。この1曲で勝負は決まったようなもんです。
あとの収録曲がおまけのように思えて来るほどの名曲ぶりですよ。これ以上ない最高のデビュー曲でもありますね。


件の『Astronauts』収録のシングル曲、「Dreaming」にはHypnotone Remixまであるんですが性に合わないところなんですよね、やはり。


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Oasis / Whatever (1994)

oasiswhatever
ついでにOasisの『Whatever』(1994)です。いちばん最初に購入したOasisのCDがこれでした。日本独自の企画盤ですね。
例によって旧ブログからの転載です。


Oasisの1作目『Definitely Maybe』(1994)と2作目『(What's The Story) Morning Glory?』(1995)というそれぞれのアルバムの間に位置するシングルの『Whatever』(1994)を日本盤CDで持っています。
表題曲は昨年に発売されたベスト盤にも収録され終いですから、未だにアルバム未収録曲として放置されています。


先日、偶然にNoel Gallagher単独のアコースティック・ライヴをテレビ放送にて観たことから引っ張り出して来ました。そのツアーに実際には同僚のGem Archerが帯同していましたけれども。
それはパリ公演の模様でして、M1「Whatever」を演奏する際にフランスと日本で人気があるとの発言がありました。


この日本編集盤は、直前のシングル『Cigarettes & Alcohol』(1994)からのB面曲をも抱き合わせたものですので、熱心な聞き手ではない身としては大変重宝しています。


1990年代半ばと言いますと相変わらずギターバンドを中心に聴いていたものの、徐々にCreation Recordsから離れて行った時期でもあります。


そこへ“俺は俺である必要がある”と歌われてもそれだけで疎ましく思えてしまいました。大口を叩く大型新人だとかBlurとの諍いだとかなどは本当にどうでもよろしかったのです。


そんな中で単純に楽曲が素晴らしいという話を聞きつけて、早々とこの徳用盤を購入してみたのです。しばらくの間はM1「Whatever」にすっかり惚れ込み、繰り返し聴き込んだものです。


ほどなくして、曰く付きの1曲であることを知りました。出だしの“I'm Free To Be Whatever I”の部分がNeil Innesの「How Sweet To An Idiot」の一節にそっくりという訳です。


The RutlesRhino Records盤CDでしたら大いに楽しんでいましたし、彼の『How Sweet To An Idiot』(1973)を基にした編集盤がちょうど発売されたので、その『Re-Cycled Vinyl Blues』(1994)に飛びついてしまいました。


結果を申し上げますと、そのまま、でした。同じく歌い出しです。歌詞が違うだけです。


そもそもがこのM1「Whatever」にThe Beatlesの「All You Need Is love」(1967)の趣きを見て取れますし、印象的なストリングスは『Magical Mystery Tour』期のそれを彷彿とさせます。


Neil Innesがこれに対してどう応酬したのかは次の機会に譲ることにしますけれども、上手くやり返したことは確かです。


それはともかくとして、OasisのシングルB面曲群が秀逸であることは周知の通りでして、Noel Gallagher自身が歌うM5「Half The World Away」を始めいかにも1960年代のガレージ・バンドが演りそうな勢い任せのM3「Fade Away」など、侮れない内容に違いありません。


ただし、最後に置かれたM6「I Am The Walrus (Live At Glasgow Cathouse June '94)」については、とてつもなく詰まらない出来です。面白みも機微も何もありません。
不躾な演奏としか感じませんし、よりによって「I Am The WalrusThe Beatlesに挑もうという心境を解せません。



件のNeil Innesがどう応えたかというとThe Rutlesの驚異の再結成盤、『Archaeology』(1996)収録の「Shangri-La」の出だしと終わりの部分でまんまと「Whatever」を引用しています。
大名曲にまつわるあれこれとしては面白い方ではないでしょうか。


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Oasis / Definitely Maybe (1994)

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映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)におきまして結局はNoel Gallagherひとりが受け答えしているOasis。今回はOasisのデビュー・アルバム、『Definitely Maybe』(1994)です。
Creation Recordsらしくない音だとずっと思い込みつつ本作を聴き始めたのは割と最近のことです。それにグループ自身のジャケット写真というのも珍しい方ですね。


何となく聴き覚えのある歌声、そしてどこかで聴いたことのあるようなギター・リフ。判り易いです。
ジャケット写真にBurt Bacharachのポスターを写り込ませているだけありまして、とても豊かなメロディー・ラインが満載。親しみ易いです。
Whatever』(1994)とか『(What's the Story) Morning Glory?』(1995)とか『D'You Know What I Mean?』(1997)だけですっかりと満腹していたんです。そんなこともありましてこの『Definitely Maybe』をがっちりと聴いたことはなくとも何曲かは今まで何かしら耳にしていたので驚きはそれほど多くはないです。


M1「Rock 'n' Roll Star」、のっけから大胆極まりないですね。The Stone Rosesの「I Wanna Be Adored」とはまた別に訴求力がずば抜けて高い1曲、でしょうか。
またまた強気な内容のデビュー曲、M6「Supersonic」の方はどことなく抑制が効いていまして好ましいです。こうした自信過剰な側面もロック・ミュージック、ですよね。


そして、本命のM3「Live Forever」。素晴らしい歌ですね。名曲だとしか言えないですし。
太い眉毛から繰り出される永遠のメロディー、これに尽きますよね。


Oasis自体は勿論、そもそも当時のブリットポップなるものも良く判っていませんのでそういう意味では逆に新鮮な部分もない訳ではありません。ですけれども、代表曲たちがこれほどまでに強烈ですとほかの収録曲に対する印象が薄くなってしまうのは仕方のないことです。
とにもかくにも面白い内容のアルバムには違いないですね。


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Ride / Waves (2003)

ridewaves
ついでのついでにまたもやRideです。映画、『Upside Down -The Creation Records Story-』(2010)の中で中心人物だったAndy BellMark Gardenerのふたりが並んで出演していましたね。
本盤はそんなRideBBC音源集、『Waves』(2003)です。


デビューEPから最初のアルバムの『Nowhere』(1991)直後くらいまでが大好物でして『Carnival Of Light』(1994)以降を未だに聴いたことがないんです、実は。
本盤で言いますとM11「Birdman」からの7曲がそれに当たる訳なんですけども。なかったことにする訳にもいきませんが、これはもうそのまま後期のアルバムのことを忘れていても構わないんだと確信する次第です。


気を取り直しまして。熱狂の渦に叩き落としてくれた曲たちが並ぶ前半部分について公式テイクとセッションでの演奏にはそれなりの開きがありまして、その違いを楽しむというよりも別物として取り扱う次第です。平たく言えばいかに公式テイクの完成度が高いかということですね。
例えば捻りのないM3「Perfect Time」は特に見劣りしないんですが、M2「Dreams Burn Down」などでは粗が目立つというか貧相な印象を受けます。音の厚み、重なり方がまったく異なります。轟音ギターも形なしといったところです。


M1「Like A Daydream」での青臭さと爽快感が入り混じった感覚は今でも希有なものですし、攻めの姿勢が感じられるM5「All I Can See」にしてもサイケデリックな色彩が残っています。
それからPale SaintsをカヴァーしたM4「Sight Of You」は嬉しい1曲ですね。この耽美的な代表曲を少し強引にまとめているのも聴きどころです。


Going Blank Again』(1992)収録のM8「Time Of Her Time」とM9「Not Fazed」とM10「Mousetrap」の3曲はとても締まりのある演奏なので安定感も抜群なんですが、もはやここにも自分の追い求めるRideなんていやしないんだなと痛感する次第です。


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朦朧体

本日、11月2日は近代日本画の巨匠、横山大観の誕生日だそうです。


空気を描くという没線描法を編み出したとのこと。素晴らしいですね。


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プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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