Cathy Young / A Spoonful Of Cathy Young (1969)

Cathy Youngの『A Spoonful Of Cathy Young』(1969)というアルバムを聴いてみました。
これはまさにジャケット写真に釣られて購入したCDなんですけれど、Mapleという聞き慣れないところからの再発盤です。そもそもの発売元のMainstream RecordsというのがあのAlice Clarkと同じレーベルなのかは判りません。
M1「Spoonful」はHowlin' Wolfで有名なWillie Dixon作のカヴァーな訳なんです。のっけから胃もたれを起こしそうな5分がとても印象的でオルガンの音が渦巻く中で一心不乱に歌われる重苦しいこの1曲がとにかく目立つんですよね。
確かに強烈なんですが、アルバムを聴き進めてみますと思った以上に表現力に長けていて表現の振り幅の大きさも判って来ます。
清楚な側面すら窺える「Misfit Matilda」が続くかと思えば次は何とも男前なM3「This Life」というこの序盤で改めて意表を突かれてしまいますね、まさかの展開ですので。初めて聴いてみた時にはそれほどピンと来なかったんですが不思議なもんです。
その後もピアノが轟くM4「Everyone's A Dealer」、情景的なM5「Circus」にM6「Mr. Moth」という流れではM1「Spoonful」と同じくらいかそれ以上に狂い咲くような歌声が耳に突き刺さります。
この『A Spoonful Of Cathy Young』、アシッド・フォークだという触れ込みなんですけれど目一杯の酩酊感を醸し出すM7「Colour That Lightning」なども含めてしっかりとロックしているんですよ。実際に聴いてみないことには判らないですからね。
その溢れんばかりの禍々しさには目を見張るものがあり過ぎですし予想をはるかに超える拾いものでした。
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