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Ride / Today Forever EP (1991)

todayforeveer
今回のRideは『Today Forever EP』(1991)です。発売された当時、まったく興味を持っていない同級生もそのジャケット写真を見て言葉を失っていたことを憶えています。
またもや旧ブログからの転載です。


Rideの『Today Forever EP』(1991)は、通称“鮫ライド”と呼ばれる4曲入りのEPです。


衝撃のデビュー・アルバム、『Nowhere』(1990)を以てして得た高揚感が冷め止まぬうちに、次回作までの繋ぎと言えど惜しみなく発売されたものです。
これまた衝撃のジャケット・デザインの鮮烈さが大変印象的です。


概ね『Nowhere』の路線を引き継いだ曲想ではありますが、4曲ともにアルバム未収録であることも手伝って勢いに乗った様子を端々から感じます。


ただし、穿った見方をすればA面1曲目というには弱いのではと思わせるM1「Unfamiliar」から始まります。ディレイを目一杯ぶちかましてみたりドラムスがのたうち回るのはいつものことですが、勿体振った出だしと併せて印象としては比較的に地味なものですから、一抹の不安が頭を過ります。


本作からこの1曲を選ぶとなると文句なしにM2「Sennen」でしょう。美しく響き渡りながら揺らめくアルペジオのギター音を例えて言うと、透き通る水面に柔らかな日の光が乱反射するが如しです。
従来路線の轟音ギターは封印され、ある種まっとうなポップ・ソングに挑んだと思しき一面が露になっています。
密かにRideの裏名曲として認定しております。


B面に移りますと、これまで通りの蒼さに加えて多少の爽やかささえ漂うため、強いて言えば次のM3「Beneath」の方がA面向きだと感じました。
と思いきや、繰り返し聴いているうちにM1「Unfamiliar」の持つ鬱屈した表情こそ彼らに相応しいものだと納得するようになりました。前言撤回です。


ふたりのギタリストがそれぞれひとつのコードで押し切ることで酩酊感を強調させたM4「Today」では、その2本のギターの絡まり具合にも増して美しく被さるはずのストリングスが明らかに浮き上がってしまっているという残念な出来に終わってしまっています。
いささか不釣り合いな調子で進んで行くものの、終盤に来て不協和音が折り重なる辺りは面目を保っている格好です。



今から思い返してみましても、この『Today Forever EP』くらいまでがRideらしい音でしたね。


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プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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