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Teenage Fanclub / Man-Made (2005)

manmade
今月のTeenage Fanclubは『Man-Made』(2005)です。
とうとうPeMa Recordsという自主レーベルからの発売なんですね。


前作の『Howdy!』(2000)から5年振りということで、この頃になりますとシングル盤については追うこともなくなりましたね。
ジャケット・デザインがThe PastelsAggiによるものだというのを知って嬉しくなりましたよ。


そんなシングル曲のM1「It's All In My Mind」から始まる本作、なかなか落ち着いた風情がよろしいですね。いろいろな楽器をそっと忍ばせていろいろな味付けを試しているようなところもありつつアルバム全体を通してまとまりがありますし、酷評してしまった『Howdy!』なんかよりもずっと好感を持つことが出来ます。


12曲をきっちりと3人で分け合っている訳ですがRaymond McGinley作のM3「Nowhere」やM6「Only With You」でさえ想像以上にポップなんですね。
その代わりと言って何ですがいつものGerald Love節が聴かれなくなった印象です。M11「Born Under A Good Sign」なんてTeenage Fanclubらしさの欠片もないと感じましたし。もうひとつのシングル曲のM9「Fallen Leaves」にしても何だか焦点を絞り切れていないように聴こえます。リード・ギターの音色がもの凄く格好良いんですけれどもね。


こうなると結果的にNorman Blakeの安定感が一段と増しているんだなと。しかもM7「Cells」については単なるギターポップの枠を飛び越えたただならぬ名曲の臭いすら漂わせていますので驚きです。いやはや、これはもの凄い収穫ですよ。ついにこういう境地に達してしまったのかという。ちょっと、今、自分の耳を疑うくらいに聴き惚れてしまっています。


相変わらず舐めてかかっていましたら思わぬところを突かれて痺れてしまいました。Teenage Fanclubの底力には改めて目を見張るものがありました。さすが、です、ね。


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Inez & Charlie Foxx / The Dynamo Duo (2001)

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Inez & Charlie Foxxの『The Dynamo Duo』(2001)という編集盤を聴いてみました。
さすがにKent Records、痒いところにまで手が届く24曲入りです。Inez Foxxのソロ曲もM23「You Shouldn't Have Set My Soul On Fire」という1曲程度ならご愛嬌ということで好ましく感じます。


Inez & Charlie Foxxと言えば何はともあれ「Mockingbird」のヒットが有名ですよね。Aretha Franklinがカヴァーするくらいのアーリー・ソウルの名曲な訳です。


本盤はそんな栄えあるSue Records時代以降の音源集でして1960年代後半の成熟したソウル・ミュージックを楽しむことが出来ますね。これまたヒット曲のM1「(1-2-3-4-5-6-7) Count The Days」をはじめ歯切れの良い演奏と溌剌とした歌声、いかにもイギリスで人気がありそうではありませんか。
ただし、再録音のM24「Mockingbird (With Strings)」が思った以上に甘口なのはどうにも仕方のないことですね。比べるだけ野暮というものなので。


R&Bの男女2人組となりますとどうしてもIke & Tina Turnerを連想してしまいますので、彼らについてもその二番煎じと受け取られるところではあります。この兄妹にはIke TurnerによるえげつなさやTina Turner並みの猥雑さともまったく無縁なんですよね、良くも悪くも。その分、真っ向勝負で歌に向かっているのが良く判ります。


そう言えばAce Recordsからは(イギリスの)Sue Records音源をまとめた編集盤が4枚も発売されているので、そこからInez & Charlie Foxxの単独盤を構成することは出来ないものでしょうか。粗削りなアーリー・ソウルも大好きなんですよね。


Beat Happening / Beat Happening (1985)

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Beat Happeningの最初のアルバム『Beat Happening』(1985)を聴いています。
再発に際して曲順が大幅に入れ替えられまして追加収録曲もたくさんあります。


現在もBeat Happeningとして活動しているのか解散状態にあるのか、それともそのどちらでもないのか判りませんが、何はともあれ伝説のと言って差し支えのない3人組のグループな訳ですよ。The PastelsTalulah GoshNirvanaもみんなが憧れ胸焦がした訳です。こぞってK Records詣でな訳です。
中心人物のCalvin Johnsonの独創性もその最初から際立っていますね。


単なる鼻歌に聴こえなくもないですし、ベーシスト不在も手伝って風通しが良いというのではなくて余計に隙間だらけの音の欠片が散らかっています。それでも結局のところは演りたいことを演りたいように演りたいだけ演るんだという心意気なんですよね、これは。インディー云々を抜きにしても誇り高きことですよ。パンクでもありますね。


一方でこの素人同然の演奏に怒り出す方々が続出するはずです。音質無視の自宅録音も当然のように含まれていますし、M8「In My Memory」の冒頭には“たけや~さおだけ~”のあの放送が挿入され、はたまたM12「Don't Mix The Colors」では取って付けたように原宿駅での乗り降りの放送部分ががそのまま収録されていますので馬鹿にされた気分になるかも知れませんよね。


ただし、やはりこの原初的な衝動を押さえ付けることなど誰にも出来るはずがないんです。まさにポップ・ミュージックの強みなんだと思いますよ。何だって演りたいように演るんですから。誰にも立ち入ることなど出来やしません。


Teenage FanclubがカヴァーしたM14「Bad Seeds」も聴きものなんですが、M23「Look Around」については『International Hip Swing』(1993)収録分とはテイク違いのようですね。どちらも大好きですよ。


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Yes / Yes (1969)

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Yesの『Yes』(1969)を聴いてみました。デビュー・アルバムがこんなジャケット・デザインで良いのかと思いつつ。


コーラス・ワークもばっちりと決まっているM1「Beyond And Before」はアルバムの幕開けにぴったりの曲調ですね。
ただ、本作を初めて聴いた時から取っ付き難い印象でしたが、改めて聴いてみましてもなかなか馴染めないところが多いのが事実だったりします。アルバム全体を通して巧くて凄い演奏であるのは良く判るんですが、慣れるまでにまだまだ時間が必要のようです。


M2「I See You」はThe Byrdsのカヴァー。The Moveも「So You Want to Be A Rock 'N' Roll Star」をカヴァーしていたりしますので想像以上にその影響力が大きいんですね。ちょっとした発見でした。


M4「Looking Around」は面白いですね。本作中ではいちばんポップに傾斜してしまして、いちばん聴き易いのではないでしょうか。こういうキーボードの音色も好きですし。


M6「Every Little Thing」がThe Beatlesのカヴァーということで意外過ぎる選曲ですね。途中で「Day Tripper」のギター・リフを忍ばせてありますし言われてみないと判らなかったりします。敷居が高いと言いましょうか、これは難解ですね。


さらには追加収録曲の中に次のアルバムの『Time And A Word』(1970)にも収録されているM9「Everydays (Single Version)」、M12「Everydays (Early Version)」も含まれていまして。Buffalo Springfieldのカヴァーな訳ですよ。不思議ですよね。
Led Zeppelinしかり、ウェストコースト・ロックからの影響がこういう形で波及しているとは興味深いです。


デビュー曲だというM7「Sweetness」は聴かせますね。このしっとり具合、好きですよ。


この時代ならではのサイケデリックに聴こえるでもなくやはり充分にプログレッシヴ・ロックの萌芽を感じさせるものだと認識していますがきっと間違いなんでしょうね。追加収録のM11「Something’s Coming」、M14「Something’s Coming (Early Version)」を聴いてみても何だか難しいなと思ってしまいます。


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Hirth Martinez / Hirth From Earth (1975)

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Hirth Martinezの『Hirth From Earth』(1975)を聴いてみました。
どういう設定なんだと訝りたくなるようなジャケット写真なんですが許容範囲でしょう。


実際に聴いてみて連想するのは軽妙洒脱だというものです。冒頭のM1「Altogether Alone」から伝わる胡散臭さがただちにある種の快さへと変わって行くんですよ。Hirth Martinez自身がだみ声ではありますしそこは大いに気にかかるところではありますが、全体を通して和やかな曲調と緻密に築き上げられた演奏とが掛け合わさるとなりますと何だかとりとめもなく謎めいた印象もM3「Djinji」を聴く頃にはすっかり彼の虜になってしまうこと請け合いです。


カントリーやジャズ、ブラジル音楽といった何が根っこにあるのかが明白なのに出来上がった音楽は何とも摩訶不思議で個性的。
その辺りはThe BandRobbie Robertson制作によるものも大きいということは言うまでもない訳でして。加えて、幾何学的なギターの音色も特徴があって目立っていますよね。


シンセサイザーの音色など少し好みから外れる新しさというか洗練さもそれほど気にならなくなりましたし、むしろ普遍的な輝き、独特な魅力がふんだんに備わっていると感じずにはいられません。都会的なんだかそうでないんだか判りかねますけども、磨き抜かれた魅力に溢れていると思いますよ。
M8「Silent Movies」なんかでは訳もなく無我の境地を感じ取ってしまいますね。


蔑ろにされているとは言わないまでもアメリカではそれほど顧みられてはいないようですが、細々とではあっても時代を越えて聴き継がれて来たことに納得のいく内容なんですよね。これからもきっと聴き続けられるでしょうし、聴いて行きたい1枚です。


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木村カエラ / Ring a Ding Dong (2010)

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今さらながら木村カエラの『Ring a Ding Dong』(2010)です。
M1「Ring a Ding Dong」とM10「Ring a Ding Dong (instrumental)」以外は2010年3月の武道館公演からのライヴ音源というお得なシングル盤です。


M1「Ring a Ding Dong」はCMタイアップ曲なので誰もが聴いたことがあるであろうサビの部分がやはり印象的ですよね。打ち込み主体ではありますが実際、良く出来ていますしとても楽しい1曲ですしね。
その出だしの部分、ちょいと加工しまして我がiPhoneの着信音に設定しています。そうは言っても肝心の電話がかかっては来ませんので耳にする機会は少ない訳なんですが・・・。かかって来ても業務上のものであったりとか。


8曲分のライヴ音源はベスト盤の『5years』(2010)発売に伴って行われたツアーからの武道館公演の一部なんですね。これまでアルバムからさまざまに抜粋されています。全体的にエッジの立った演奏に木村カエラの歌声が栄えるんですよ、これが。侮れませんね、ご立派です。


またまたCMタイアップによって有名になったM2「Butterfly」、ライヴ向けにより感傷的な編曲と観客を巻き込む辺りが上手いですよね。


M3「Circle」以下、M4「STARs」にM8「Magic Music」、デビュー曲のM9「Level 42」とある意味でもうひとつのベスト盤のような選曲ではありますよね。
M5「1115」、これは彼女が敬愛する坂本龍馬の誕生日を意味するそうな。意外と大好きなんです。一時は通勤の際に繰り返し聴いていましたよ。


少し毛色が変わっているなと思ったらM6「BANZAI」はavengers in sci-fiによる編曲なんですね、今になって知りました。最初に聴いた時には何だか違和感が残ったんですが、ライヴ・テイクだと自然と気持ちが上がりますね。


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Jonny / Jonny (2011)

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Jonnyのアルバム、『Jonny』(2011)を聴いてみました。
このジャケット写真からグループ名がつけられたというTeenage FanclubNorman BlakeGorky's Zygotic Mynciの中心人物だったEuros Childsの2人組です。


先だっての『Free EP』(2010)での不安が半ば的中してしまったかのような内容だと感じます。この2人が組んで出来上がったものがこれではという肩透かしの所以はこちらの勝手な期待感が大きかっただけなのかも知れませんけども。


勿論、この2人だからという合点のいく部分はいくつもありまして肝心のメロディーだってしっかりしていますし、ところどころ素朴過ぎるとしてもちんまりとまとめられた音の作りも嫌いではないですし古色蒼然としたサイケデリックな味付けも決して悪くはなんですが、何か決定的なものに欠けている気だけはするんですよ。


M2「Candyfloss」やM6「Circling The Sun」などのアルバムの柱になるようなものからM10「Cave Dance」という強引ささえ感じさせる長尺のもの、締めくくりにぴったりのしっとした弾き語りのM13「Never Alone」まで割合に振り幅はあるもののぴりっとしないんですよね。中途半端とは言わないまでも締まりのなさが印象として残ります。


普段から新譜を聴こうしないこちらの感覚がおかしくなっているんでしょうか。そもそも2011年の音にも聴こえませんし。所詮は課外活動だからと開き直ってくれる方がこちらも気楽なものですね。


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Ann Peebles / Straight From The Heart (1972)

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Ann Peeblesの3枚目のアルバム、『Straight From The Heart』(1972)です。
凄く好きなアルバムですし、実際に素晴らしいメンフィス・ソウルですよね。


前作の『Part Time Love』(1971)というのが曲者でして、デビュー作の『This Is Ann Peebles』(1969)の収録曲と半分くらい重複しているようで。さらには手持ちのCDの追加収録曲を合わせると完全にダブルらしいんですよね。


翻ってそんな杜撰な商法を払拭するかのような充実度を噛み締めることが出来るのがこの『Straight From The Heart』な訳ですね。本作の場合には無駄のない熟し切ったハイ・サウンドと拮抗するAnn Peeblesの歌声がまさしく聴きものですね。以前は硬さの残っていた歌声に貫禄さえ感じられるようになりましたよ。


M1「Slipped, Tripped And Fell In Love」から飛ばしていますが、M3「What You Laid On Me」やM5「Somebody's On Your Case」、Bobby Blandをカヴァーした「I Pity The Fool」などなど。もう絶好調ですね。


そのほかにもじっくりと歌い込むM2「Trouble, Heartaches And Sadness」やM4「How Strong Is A Woman?」にも惹き付けられてしまいますし、抑制の効いた演奏に合わせてぐっと腰を落として歌われるM6「I Feel Like Breaking Up Somebody's Home」には特に堪らないものがありますね。
中でもいちばんの大好物はM9「99 Pounds」です。このジャンプ・ナンバーでの吹っ切れ方が並ではありません。こんなにも男前な女性シンガーもそうは居ないのではないでしょうか。


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Pale Saints / The Comfort Of Madness (1990)

comfortofmadness
久しぶりにPale Saintsの『The Comfort Of Madness』(1990)を聴いてみました。
犬派の北沢オーストラリアでも見蕩れてしまう美しいジャケット・デザインです。


音楽自体もとても美しいですよね。もの凄く耽美的です。冒頭のM1「Way The World Is」から何か物語が始まる予感をさせる雰囲気が丸出し、ですよ。そして奇怪で残酷にも聴こえて来るインストゥルメンタルの数々が曲間を繋いで行くという無駄に高い構成力が物を言い過ぎています。


早速、M2「You Tear The World In Two」で聴き手の胸ぐらを鷲掴みです。Ian Mastersの儚い歌声とツボを押さえたギター・ソロが高揚感を煽りに煽ります。そうかと思えばM3「Sea Of Sound」の本当に海底深くで鳴らされているような音の心地良さと言ったら、もう最高です。


これまた、まるでお伽噺を音像化したかのようなM5「Little Hammer」の可愛らしさ。そしてThe Byrdsによるフォーク・ロックをさらに色鮮やかに盛りつけたM6「Insubstantial」とM8「Language Of Flowers」の鮮烈さ。


極めつけはやはり、シングル曲のM10「Sight Of You」とM11「Time Thief」の流れでしょう。ここでも空間を切り裂くようなギターの音色にきりきり舞い。つんのめるドラムスのビートに胸を焦がし、全身骨抜きの状態へとまっしぐら。そして、いちばん最後には女性の悲鳴のようなものが。どこまで行ってもこの『The Comfort Of Madness』は完璧です。完全無欠なんです。
堪りません、ある意味でこれ以上の辱めもありませんよ。たかがロック・ミュージックによってこれほどまでに心を打たれるなんて。許すことの出来ないくらいの美しさです。


全11曲、その一切の妥協のなさに思わずほの字です。
これだけ演ってくれますと4ADからの発売に納得というか順当というかとても理に適っているんですよね。ただし、このデビュー・アルバムのみで消え去ってくれたのなら文句なしなんですけれどもね。


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Joe Quijano / La Pachanga Se Baila Asi (1962)

La Pachanga Se Baila Asi
景気付けにラテン音楽を。Joe Quijanoの『La Pachanga Se Baila Asi』(1962)というアルバムです。
例によって旧ブログからの引用です。


CBSラテン名盤シリーズ』と銘打たれた中からこの『La Pachanga Se Baila Asi』を選んでみました。


まったく何の予備知識も持ち合わせていませんが、世界初CD化にしてナイスプライス定価、24bitDSDマスタリングと来た日には好奇心が疼きます。


これは間違いなく掛け値なしのダンス・ミュージックです。正真正銘、陽性のラテン気質が全面展開する盛夏に相応しい“パチャンガの踊り方”です。


A面に当たるM1「Amor」からM6「Dona Pepa」まで息もつかせぬパチャンガの連打に血湧き肉踊り身をくねらせてしまいます。
悪く言えば金太郎飴の嫌いがあるにせよ、研ぎすまされた2本のトランペットと数々のパーカッションが抜群の切れ味の良さを誇っています。


B面に当たる後半には、一転してチャチャを基軸にしそこにダンソンやボレロをそれぞれ溶かし込んだという変化に富んだ6曲が収録されています。
何という豊穣な音楽でしょう。また、その優雅さの要因として、フルートを大幅に導入したことが画期的だとか。確かに強烈な存在感を放ちつつも、それはもう溜め息ものの麗しさです。


パチャンガという踊りがいかなるものかも含め、ニューヨーク・ラテンの真髄やサルサ前夜の様子、Joe Quijano自身について例によって解説文によって知ることとなります。
ニューヨーク・ラテン史の詳細についてやその中で本盤がいかに歴史的に意義の深い作品であるかを読ませるこの解説が個人的に貴重なものではあります。


それ以上に、理屈抜きで身も心も解き放たれる時間をたっぷりと楽しむことが出来ます。Joe Quijanoと彼のPachanga - Cha Cha Orchestraが四の五の言わせず魅せます、乗せます、煽ります。



騒々しくも血気盛んで情熱的。
音楽にもいろいろとありますし、こんな時期ですので音楽が持つ力だとか役割について考えさせられます。


おバ歌謡 (2004)

おバ歌謡
おバ歌謡』(2004)を聴いてみました。
伊集院光がラジオ番組で放送した楽曲群をCD化したオムニバス盤とのことです。内容としては、真面目に演っているのに結果的にふざけているように聴こえるというものなんですね。一連の『幻の名盤解放同盟』と相通じるものがある訳ですよね。


マリアッチに子供声を乗せた「パパはメキシコ人?」から軽快に始まります。
続くM2「銭$ソング」、その内容もさることながら途中で奇声をあげる場面が何度かありまして、それが危険球過ぎるので聴いているこちらが心配になるほどです。嫌な緊張感を強いられますね。


ローレン中野/和田弘とマヒナスターズのM3「ゆうわく」というのは手品ショーなどでお馴染みの「オリーブの首飾り」に日本語詞をつけた華麗な1曲ですよ。
M4「「剣の舞」」も同様にバレエで有名な1曲に日本語詞をつけたものですね。“大切なことはすべて教えてくれた”尾藤イサオの歌声が意外と滑らかでして妙にクセになってしまいます。


M5「ドン・ズバ」では由美かおるが無闇にドンズバドンズバと切り込んで来る逸品です。いったい何が彼女をそうさせるのでしょうか。
M6「マグネットジョーに気をつけろ」、これはごく普通のアイドル歌謡ですね。安心して聴くことが出来ますね、実際に良く出来ていますし。


言わずと知れたEaglesによる名曲をカヴァーしたM7「ホテル・カリフォルニア」。
同じ切なさであっても相当な温度差を感じてしまいます。何でしょう、この白々しさというものは。


悪意の塊のようなM9「ザ・モンスター 「コンドールマン」」も実に危なっかしいんですが、一方でM10「ヘドラをやっつけろ!」ではある意味で対照的な際どさを持ちつつ、そしてある意味で明るく元気に物騒なことを歌っていますよ。


草刈正雄が誠実に歌うM11「アローン・アゲイン」。勿論、Gilbert O'Sullivanのあの有名曲のカヴァーなんですが、その実、割と直截的な訳詞に驚かされる訳ですよ。
最後にまたまた「Alone Again」のカヴァー曲、M12「また一人」です。こちらは訳詞がなかにし礼によるものなんですが、これはもう先の草刈正雄版とは解釈がまったく異なるということなんでしょうね。超絶的に救いのない内容に曲解されています。もはや涙すら枯れてしまって出て来ません。


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The Dramatics / The Best Of The Dramatics (1976)

dramatics
The Dramaticsのベスト盤、『The Best Of The Dramatics』(1976)を聴いてみました。所謂、オリジナル・アルバムというものを持っていませんし、どんなものがあるのかもあまり判っていないままでいるので重宝しています。


この野性味、良いですね。雰囲気満点のM4「In The Rain」をはじめとしてストリングスやら効果音などを随所でやたらと駆使してはいますがどこか泥臭さを拭い切れていないところが好みです。
結成から10年弱も燻っていたことへの恨み節なんてことでは決してないでしょうが、ヴォーカル・グループとして何とも荒削りな印象です。


相変わらずM3「Whatcha See Is Whatcha Get」というシングル曲の破壊力が凄まじいですね。素晴らしいのひと言しかありませんよ。
今まではこの1曲が目当てであとは軽く流していたんですが、ファンキーなM1「Get Up And Get Down」は勿論のこと、濃口なM5「(Gimme Some) Good Soul Music」に美しいバラードのM6「Fall In Love, Lady Love」と外しようのない内容ですね。
ファルセットが切り込んで来るM10「Hey You! Get Off My Mountain」も強烈極まりない1曲ですしね。


懐の深い歌唱でもあるM12「And I Panicked」からは録音の印象が違っていますね。M15「Highway To Heaven」なんてのはゴスペル丸出しの表題の割にはさらりと歌われているほか、5分を超えるM16「Toast To The Fool」などはとても洗練されているんですよね。


1970年代、そしてVolt Records (Stax Records)を代表するのヴォーカル・グループによる充分過ぎるほどに充実したベスト盤でした。


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期初

何もしなくても時間は経ち新年度を迎えることは出来ますが、やる時にはやらねばならないと身の引き締まる今日この頃です。
自らの無力感を嘆いている場合でもありません。



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プロフィール

北沢オーストラリア

Author:北沢オーストラリア
ハンドルネームをchitlinから北沢オーストラリアへと改めました。どうか、よろしくお願いいたします。
ポップ・ソングのことを中心に書こうとして自家中毒を起こしているブログです。
見当違いのことばかりですけれども、どうかご容赦のほどを。

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